ウルグアイ戦4ゴールの攻撃陣が注目を集めるなか、敵将がG大阪のGK東口を称賛

 森保一監督率いる日本代表は16日、国際親善試合ウルグアイ戦で4-3と勝利した。MF南野拓実ザルツブルク)やMF堂安律フローニンゲン)、FW大迫勇也ブレーメン)のゴールでFIFAランキング5位の強敵を撃破し、4発の攻撃陣に注目が集まるなか、対戦相手のオスカル・タバレス監督は試合後、攻撃陣とともにある日本の選手を称えている。

 試合は日本の若き才能たちが躍動した。前半10分にMF中島翔哉ポルティモネンセ)の絶妙なパスからMF南野が先制弾を叩き込むと、1-1で迎えた前半36分には大迫が勝ち越し弾。しかし、再び追いつかれて迎えた後半14分に堂安が決め、同21分には南野がこの日2ゴール目を挙げた。その後に1点を返されるも4-3で日本が逃げ切りに成功している。

 試合後に名将タバレスは「日本代表に祝福の言葉を送りたい。とても良いチームで、今日の勝利にふさわしかった」と称賛。さらに敗因について次のように語っている。

「後半の立ち上がりは良かった。5分で2回のチャンスを作り、1回はGKに防がれた。その後は爆発的な日本の攻撃の勢いで選手たちが消耗し、試合終盤にはフィジカルの問題が顕著に表れてしまった」

 タバレス監督は日本の攻撃に触れつつ、名前こそ上げなかったがGK東口順昭(ガンバ大阪)の好セーブを称えた。敵将が特定のポジションについて語ったのはGKのみで、その後も「日本のGKも2回決定機を防いだ」と指摘。前半のビッグセーブも含めて、勝利に貢献した東口の働きに触れている。


ビッグセーブを披露した東口、相手エースFWカバーニが手を差し伸べて敬意を表す

 東口が埼玉スタジアムを沸かせたのは、1-0と日本リードで迎えた前半17分だ。ウルグアイの右CKから中央にクロスが入ると、相手の主将DFディエゴ・ゴディン(アトレチコ・マドリード)が大迫に競り勝ち、強力なヘディングシュートを至近距離から放った。万事休すかと思われた瞬間、オレンジ色のユニフォームを着用した男が横っ飛び。ゴールライン上で立ちはだかったのが東口だった。素早い反応を披露すると、巧みにボールを掻き出して難を逃れた。

 これには相手のエースFWエディソン・カバーニパリ・サンジェルマン)も脱帽といった様子で、立ち上がろうとした東口に優しく手を差し伸べ、「よく止めたな!」とばかりに手をそっと背中に回し、ビッグセーブに対して敬意を表している。

 また後半早々、日本は相手の圧力に押し込まれて早くもピンチを迎えた。しかし、ここでも日本の守護神が華麗なセーブで失点を防いだ。最終的に日本は3失点を喫しており、DFのミスもあったとは、東口にもポジショニングや足もとのボール処理などで課題は残った。

 とはいえ、好守でウルグアイ撃破に貢献したのも事実。敵将や相手エースFWカバーニが称えたビッグセーブがあってこその勝利であり、それは影のMVPとも言えるものだった。


Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

(左から) ウルグアイ代表のエースFWカバーニ、チームを率いるタバレス監督【写真:Getty Images】