『Le Parisien』は17日、アトレティコ・マドリーに所属しているフランス代表DFルーカス・エルナンデスのインタビューを掲載した。
フランス生まれであるが、サッカー選手だった父ジャン=フランソワに連れられて4歳でスペインに移住したルーカス。弟のテオとともにアトレティコ・マドリーの下部組織で育成され、自身も選手として開花した。
アトレティコ・マドリーのトップチームで活躍し、今年は生まれ故郷のフランス代表チームに招集された。あまりフランス語は得意ではないとのことであるが、デシャン監督のチームにうまく融合し、ワールドカップでは優勝に貢献する活躍を見せている。
彼はこの1年について以下のように話し、ディディエ・デシャン監督とディエゴ・シメオネ監督の指導は少し似ていると明かしたという。
ルーカス・エルナンデス
(ワールドカップでは戦う姿勢が目立ったね。このスタイルはどこから)
「僕はいつもそうだったよ。子供の頃からね。奇妙なことかもしれないが、僕は本当に守備が好きなんだよ。
多くの人はゴールを決めたいと思っているものだが、僕は相手の足元からボールを掻っ攫うことに喜びを感じるんだ。
それこそ、僕がサッカーの中で生きていく道なんだよ」
(フランス代表はちょっとアトレティコ・マドリーのよう?)
「試合では少し似ているね。アトレティコは相手の攻撃にうまく対処している。フランス代表もちょっと近い戦略だった。
現代のサッカーはそういうものだよ。最高のポゼッションだけでは勝てない。ゴールを奪ったほうが勝つんだからね」
(シメオネ監督とデシャン監督の似ている点は?)
「彼らはどちらも勝利こそが重要だと思っている。それは正しいよ。それ以外はない。記憶されるのは勝者だけだ」
(夏にはワールドカップ優勝だけでなく、息子も授かった)
「マルタン(息子)は最も大きい出来事だったね。人生、考え方、世界観を変えた。昔は自分のことしか考えていなかったが、今は息子のことだけしか考えていない」
(父親ジャン=フランソワとは10年以上関係が断絶している。君も父になった今、再会してみたい?)
「いいや。父になった今、なおさら彼が親としての役割を果たせなかったことを認識しているよ。
もちろん会ったら会話はするだろうけどね。ただ、僕は息子を捨てることなど想像できない。何があっても。息子の幸せのためにホームレスになれと言われたら、僕はそうすると」
(君と弟のテオは母一人で育てられた。まるでテオの父親のような感じ?)
「母には大きな借りがある。彼女のおかげでテオと僕はサッカー選手になれた。
ただ、テオの父代わりという感覚はないよ。兄で、保護者だ。いつも一緒にいた。常に大きな関係があり、親友のようなものさ。今も強い結び付きがある」
(君はフランス代表を選んだけど、スペインのほうが馴染みがあるとも)
「スペインは僕に全てを与えてくれたからね。そこで育ったし、住んでいるし、妻の出身地でもあるし、息子の故郷でもある。
だけどフランスのことは大好きだ。代表では世界王者になったし、家族はフランスに住んでいる。フランスにいるときはフランス人だと感じ、スペインにいるときはスペイン人だと感じるよ」
(スペインとフランスで代表チームを迷った?)
「長い間フランスからは誘いがなかったからね。認識されているのかどうかわからなかったんだ。
ただ、ある時ディディエ・デシャン監督が電話をかけてきて、構想には入っていると言われた。考える必要はなかったよ。すぐにYESと答えた」
(日々の生活の中でスペインとフランスの文化はどう生きている?)
「音楽にしろ料理にしろ、基本的にはスペインの文化だね。
ただ、チーズを除いてだ。いつもミュルーズ出身の祖母に『フランスのチーズを送ってくれ』と頼んでいるんだよ。あれは美味いね」
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