都心のオアシス的存在として親しまれている、小石川後楽園(東京都文京区)。元は水戸徳川家の江戸中屋敷内(後の上屋敷)に造られた庭園で、国の特別史跡、特別名勝にも指定されている。

【写真を見る】琵琶湖がモチーフの大泉水。かつてはこの池で舟遊びをしていたとも言われている

園内は、湖や川、山、田園などに見立てた、起伏に富んだ景観が特徴。日本と中国の景勝地が巧みに表現されている。

秋にはイロハモミジ、ハゼなど約480本の木々が鮮やかに紅葉。特にイロハモミジは都内の大名庭園のなかで最も本数が多く、見ごろを迎える11月下旬から12月上旬には、見事に色づいた紅葉を楽しめる。

また、小石川後楽園の園内には、風情あふれるスポットが盛りだくさん。おでかけ前に見どころをチェックして、各所で趣きの異なる紅葉を満喫しよう。

■ 大泉水

蓬莱島と徳大寺石を配し、琵琶湖を表現した大泉水。庭園の中心部に位置する、シンボル的存在だ。秋には紅葉スポットとしても人気が高い。

■ 円月橋

水戸光圀が厚くもてなしていた、明の儒学者が設計したとされている半月型の石橋。水面に映る橋も見どころのひとつだ。現在、橋を渡ることはできないので注意しよう。

■ 内庭

元々は水戸藩の書院の庭だった場所。かつては唐門を隔てて、大泉水のある「後園」と分かれていた。秋になると鮮やかに紅葉し、人気を博している。

国内有数の紅葉鑑賞スポットである小石川後楽園は秋の行楽にぴったり。週末や休日にぜひ足を運ぼう。(東京ウォーカー・水梨かおる

大堰川周辺は、小石川後楽園のなかでも特におすすめの紅葉スポット