月ノ美兎「この度は……本当に……申し訳ありませんでした!」

2018年10月某日、マスコミを集めて開催されたバーチャル記者会見。
その冒頭、6人の仲間とともにスクリーンに映し出された女子高生バーチャルライバー月ノ美兎は、悲痛な声でカメラに向かって謝罪した。

鳴り響くシャッター音の中、バーチャルではない女性司会者が困惑気味に突っ込みを入れる。

司会者「美兎さん、謝罪会見になっていますよ。自己紹介してもらっていいですか?」
月ノ美兎「すみません。やってみたかったんで(笑)」
樋口 楓「あははは(笑)」
静 凛「そうだと思いましたよ」

バーチャル(仮想的)な姿や人格を有して、YouTubeなどで動画投稿や生配信を行なうバーチャルYouTuber。2017年から2018年にかけて急増し、9月には5000人を突破。バーチャルYouTuber専門の雑誌も創刊されるなど、エンタメ業界を中心に大きな注目を集めている。

そんなバーチャルYouTuber界の中でも、特に勢いのあるグループが月ノ美兎らの所属する「にじさんじプロジェクト」。YouTube以外のプラットフォームでの活動も積極的に行なうため、「バーチャルYouTuber」ではなく「バーチャルライバー」と名乗っているのも特徴の一つで。2018年10月17日からは、インターネットテレビの「AbemaTV」で、7人のバーチャルライバーが出演する史上初のバーチャル生放送番組『にじさんじのくじじゅうじ』もスタートした。

その新番組の放送スタートに際して行なわれたのがバーチャル記者会見。

自己紹介の後、質疑応答が続く中、記者も「自分以外のメンバーに、どんなことをしてもらったら楽しい番組になると思う?」という多少無茶ぶり気味の質問をしてみた。
ところが、さすがは普段から生配信しつつ、何千人ものファンと交流をしている人気バーチャルライバー。全員がほぼノータイムで個性的な回答を返してくれた。

月ノ美兎「打ち合わせの時から話していたんですけれど、私と(家長)むぎちゃんは、断食道場に行きたいんです」
家長むぎ「断食、行きたーい!」
月ノ美兎「たまたま、二人の行きたい場所が一致したんですよね。ぜひぜひ断食道場で悟りを開きたいなと思っています」

静 凛「『にじさんじプロジェクト』には59人のライバーが在籍しているんですけれど、いろいろな組み合わせで科学反応が起きると思うんですね。だから、今まで話したことのなかったライバーさんと行く夢の国とか? いろんな組み合わせで楽しんでいけたら良いなと思います」

樋口 楓「私と美兎ちゃんがコラボの時、よく紅茶の紹介をしているんですけれど。(ファンから)『紅茶を買ったけど、どうやって入れたら美味しいのか分からない』という意見をよくいただくので。(お茶会好きな)有栖ちゃんに美味しい紅茶の入れ方を教えてもらいたいです」

物述有栖「いろんなメンバーが毎週集まる機会はなかなか無いから、ライブみたいな感じでステージを作って。そこで(他のメンバーが)一芸でも、歌でも、ダンスでもお披露目しているのを、有栖は下から『いいよいいよ〜』って応援したいわ(笑)」
樋口 楓「あはは(笑)。でも、有栖ちゃんも一緒に」

える「えるは今、思いついたのだけど。美兎美兎ちゃんはバーチャル学級委員長だけど、リアル学校へ行って、『一日委員長やってみた』って(企画を)やって欲しいです」
月ノ美兎「やりたい! やりたい!」
樋口 楓「絶対、(学級)崩壊するやん(笑)」

剣持刀也「僕らはこんな感じの見た目なので、ゲームのキャラメイクをする時、この姿とぴったり同じ(ルックスの)キャラも作れると思うんですよ。そのキャラをその人がプレーするというのは、絵として非常に素晴らしいと思います」

家長むぎ「むぎは、せっかくみんなで身体を動かせるようになったから、バーチャルアイドルらしく、同じダンスを覚えてみんなに観てもらったり。組体操をしたいです!」

バーチャルとリアルの垣根は想像以上に低く、記者陣とバーチャルライバーの間でスムーズな質疑応答が実現。
初のバーチャル記者会見は問題無く終了した。

現時点では1クール分の放送が決定している『にじさんじのくじじゅうじ』。
記者会見でメンバー自身が発案した企画の実現も楽しみにしながら、毎週水曜日夜9時の放送を追いかけていきたい。

特に、えるのアイデアはぜひ実現して欲しい企画。
月ノ委員長による、本気の委員長ムーブを見せて欲しい。

(丸本大輔)

バーチャル記者会見が始まった直後に謝罪を始めて、深々と頭を下げた月ノ美兎。一緒に会見に登壇した仲間たちも、委員長に倣って頭を下げるが……