お風呂好きの日本人は、定期的に温泉に行きたくなる衝動があるようです。2015年に行われた『温泉に関するアンケート調査(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社調べ)』によると、日本人の8割が温泉好きと答え、平均して年に3.45回は温泉に出かけているとの結果が出ています。それでは、身近なリフレッシュ法として、かなりの頻度で温泉に親しんでい日本人は、何を重視して行き先を選んでいるのでしょうか?

今回、BIGLOBE別府市共同で、20代~60代の働く男女1,000人を対象に実施した「温泉に関する意識調査」をもとに、温泉旅行で「行き先決定」に影響を与えているポイントと、関東・関西で人気トップの温泉をご紹介します。

温泉地決定のポイントは「宿の食事」!30代女性では7割が重視

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今回の調査では55.9%(複数回答)の人が、「宿で出される食事」を最も重視して温泉地を決定していることがわかりました。なかでも30代女性の73%が食事を重視しているようです。このことから、宿泊した旅館の評価は料理の内容(質)に大きく左右されるというのがわかります。


続いて「宿のきれいさ」を重視する人が多く、男性より女性にその傾向が強く出ています。なかでも20代では6割が宿のきれいさを重視すると回答しました。また男性は宿のきれいさを重視しつつも、泉質の良さ露天風呂・秘湯の有無も同じぐらい重視しており、行き先選びに影響を与えています。

パートナーを誘って温泉旅行に行く場合は、ホテル・旅館の快適さに目を向けて選ばないとがっかりされる恐れがありますね。移動時間はどこまでが妥当?


自宅から温泉地まで2時間以内が妥当、遠くても3時間以内で着くところ

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温泉地まで移動にかかる時間は、どのぐらいが理想的と考えているでしょうか。全体の34%が2時間以内で到着するところを希望しており、続いて31.6%が3時間以内という結果になりました。


1時間以内で到着する距離を希望する人は14.9%となっています。このぐらいの移動時間だと普段の通勤とあまり変わらず、旅にでているという「非日常」はあまり味わえません。かといって、移動に半日以上かかってしまうようなところだと、旅が移動だけで終わってしまって物足りないと感じているようです。

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特にショッピングやグルメも重視している女性の場合は、温泉に行くと言っても観光やアクティビティ、お土産探しなども併せて楽しみたいと感じている人が多いのではないでしょうか。その分、現地での時間の使い方も重要であるため、移動に使う時間が「半日以上でも問題ない」と回答した人はどの年代でも少なく、平均すると5%以下という結果になっています。

反面、男性の場合は、40代、60代を除き、10%以上の人が半日以上かかっても問題ないと回答。男性は秘湯の温泉地に行くことそのものや、ローカル線やローカルバスでのんびり移動する時間も楽しむ傾向があるのかもしれません。

予算は2万円未満が最多!高くても3万円未満までが相場

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「1回の温泉旅行で抵抗なく払える1人当たりの金額」について、「2万円未満まで」と答えた人が全体の35.3%。続いて「3万円未満まで」が24.5%で、合わせると6割に上ります。


なかでも20代女性は「3万円未満まで」と答えた人が34.0%もいて、全体平均を上回る結果になりました。これは設備の充実が価格に直結する「宿のきれいさ」を重視していることから、当然の結果といえるかもしれません。

なお、観光庁が2018年8月に発表した「旅行・観光消費動向調査(2018年4-6月期速報)」によると、日本人の国内旅行1人1回当たり旅行で使うお金は、宿泊旅行で5万5,056円日帰り旅行が1万6,234円だそうです。

温泉旅行を楽しむ人は年に3.45回というデータをふまえると、1回当たりの予算はおさえて、回数を多く行きたいと考えている人が多いのかもしれませんね。温泉旅行は日常を離れて、気軽にリフレッシュする手段の一つといえそうです。


東は草津温泉、西は別府温泉が支持される理由は?

『第10回 みんなで選ぶ 温泉大賞(BIGLOBE調べ)』によると、東日本エリアでは10年連続で草津温泉がトップの横綱。西日本エリアでは3年連続で別府温泉が横綱に選ばれていました。いずれの行き先も都心部から移動時間が2時間~3時間以内、予算2万~3万円未満で楽しめるので、意識調査で最も多かった回答にぴったりな条件がそろっています。

草津温泉江戸時代の温泉番付(1908年発行「大日本温泉一覧」)でも横綱の地位を獲得。しかも湯畑の前には、江戸時代から続く老舗旅館「ホテル一井」があります。同ホテルは6つの源泉のうち、2つの源泉を引いており、贅沢に源泉かけ流しで楽しめるのが魅力のひとつ。新幹線を使えば東京から2時間程度、特急でも3時間ぐらいでアクセスできます。

別府温泉は江戸時代の番付では前頭6枚目あたりだったので、かなりの出世です。ちなみに城崎温泉は関脇、有馬温泉は大関でした。なお、『第10回 みんなで選ぶ 温泉大賞(BIGLOBE調べ)』の旅館ホテル部門で西の横綱に選ばれたのが、別府温泉の「杉乃井ホテル」です。別府湾を一望できる棚田状に広がる絶景露天風呂が人気で、晴れた日は四国まで望めるロケーションの良さが魅力です。

いずれの温泉地にせよ、魅力的なホテルがあり、泉質の良さ、ロケーションの魅力など、さまざまなポイントを手堅く押さえているところが人気の秘密なのかもしれません。

20代から30代の女性から注目されている別府温泉

今回の「温泉に関する意識調査」で、別府温泉にいったことはないけれど、興味があると答えた人は74.8%。中でも20代女性は82.6%、30代女性は85.3%が興味ありと回答しています。

どちらかというと若い女性に人気なのは、同じ大分県でもおしゃれで洗練された湯布院というイメージがあったので意外でした。ここ最近の、昭和レトロブームの影響でしょうか。

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別府温泉も草津同様に豊富な湯量を誇り、町のあちこちでもうもうと立ち上る湯気が温泉街らしい情緒を感じさせます。多彩な泉質で名物「地獄めぐり」もなかなかフォトジェニック。豊後水道から水揚げされた関アジや関サバ、城下カレイ、野菜・卵の地獄蒸しなど、ここでしか楽しめないグルメも充実しています。

東京からも飛行機を利用すれば2時間少しで移動できる別府温泉。まだ行ったことがないという人は、次の温泉旅行に検討してみてはいかがでしょうか?

source:@Press!

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