リーガエスパニョーラ第10節バルセロナvsレアル・マドリー、今シーズン初めての伝統の一戦“エル・クラシコ”が、10月28日(日)の24時15分にカンプ・ノウでキックオフを迎える。

▽シーズンの成績に関係なく、両チームのファン・メディア・関係者を熱くする“クラシコ”に備え、本稿では過去のクラシコから両クラブにとって思い出深い一戦をそれぞれピックアップ。当時の状況を整理しつつ、脈々と続く因縁の一端を垣間見ていく。

スペインの盟主はバルセロナ! 衝撃のマニータ
試合日:2010年11月29日
2010-11シーズン
リーガエスパニョーラ第13節
会場:カンプ・ノウ

バルセロナ 5-0 レアル・マドリー
バルセロナ
シャビ(前10)
ペドロ(前18)
ビジャ(後10)
ビジャ(後13)
ジェフレン(後46)※下記文中には、87分という表記となっております。

バルセロナ出場メンバー[4-3-3]
監督:グアルディオラ
GK:バルデス
DF:ダニエウ・アウベス、ピケ、プジョル、アビダル
MF:シャビ(後42分/セイドゥ・ケイタ)、ブスケッツイニエスタ
FW:ペドロ(後42分/ジェフレン)、メッシビジャ(後31分/ボージャン)

レアル・マドリー出場メンバー[4-2-3-1]
監督:モウリーニョ
GK:カシージャス
DF:セルヒオ・ラモス、ペペ、カルバリョ、マルセロ(後15分/アルベロア)
MF:クリスティアーノ・ロナウド、ケディラ、エジル(後0分/ラッサナ・ディアラ)、シャビ・アロンソディ・マリア
FW:ベンゼマ

Getty Images
▽第12節を消化した時点で1位レアル・マドリー(勝ち点32)、2位バルセロナ(勝ち点31)の順位で並び、両者の勝ち点差は「1」。前シーズンにリーガ制覇を成し遂げたバルセロナから王座を奪還すべく、ジョゼ・モウリーニョを新指揮官に招へいしマドリーが勇んで敵地に乗り込んだ。なお、名将モウリーニョにとっては、初の“エル・クラシコ”となる。

▽雨の中で始まった試合、バルセロナはパスサッカーで序盤からマドリーを圧倒。イニエスタのスルーパスを受けたシャビが屈辱を与えるチップキックでカシージャスの頭上を抜いて易々と先制すると、完全に主導権を握る。18分にペドロが追加点を決めスコアが2点差に広がる中、マドリーは全く反撃の形を見出せずに前半を終えた。

▽劣勢で迎えた後半、マドリーはエジルとの交代でより守備的なL・ディアラを投入し、まずはバルセロナの攻撃を鎮静化させにいく。しかし、相手の策を全く意に介さないホームチームはその後も悠々とパスを回し続け、55分にメッシのスルーパスに反応したビジャが3点目を奪取。ビジャは、直後の58分にもメッシのロングスルーパスからこの試合2得点目を記録した。

▽4点差を付けられた後のマドリーフラストレーションを溜め、イエローカードを4枚提示されるほどの荒々しいプレーに終始。試合終了間際の91分には、ペドロに代わって投入された若手FWジェフレンが、出場からわずか4分でダメ押しの5点目を記録。加えて、92分には激しくコンタクトしたS・ラモスが一発退場と散々な結末に。バルセロナが「マニータ(1試合5得点を奪うこと)」のスコア以上に内容でも完全勝利を飾った。

▽このクラシコ完勝でさらに勢いを増したバルセロナチャンピオンズリーグ(CL)、スーペル・コパのタイトルに加え、リーガエスパニョーラ3連覇を達成。タイトルがコパ・デル・レイのみに留まった白い巨人を置き去り、スペインの盟主として名を轟かせた。
サムネイル画像