連続ワンタッチプレーで神戸の守備陣を一網打尽「めっちゃ気持ちいい

 川崎フロンターレは20日のJ1第30節ヴィッセル神戸戦で、5-3と白熱の打ち合いを制した。スーパーゴールの応戦となった一戦で一際輝きを放ったのが川崎の4得点目だった。

 まず先にゴラッソを披露したのは神戸だった。1-1で迎えた前半28分、元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの鋭いグラウンダーのパスを受けたFW古橋亨梧が振りむきざまに右足を一閃。矢のように放たれたシュートがゴール右上に突き刺さった。その直後の同35分にも、ポドルスキサイドチェンジを受けたMF三田啓貴が右サイドからのカットインから強烈な左足ミドルを放ち、ゴールネットを揺らした。

 両方とも今節ベストゴールにふさわしい鮮烈な一撃となったが、それらが霞むほどのセンセーショナルな得点が生まれた。それは川崎が猛反撃を見せ、3-3で迎えた後半24分の場面だった。

 右サイドからのパスをボックス手前で受けたFW家長昭博が左足裏で巧みにフリックすると、走り込んだMF大島僚太が間髪入れずに前方にボールを入れ、FW小林悠とワンツーを見せ、DF陣を出し抜いた大島が相手GKとの1対1をダイレクトで流し込み、逆転ゴールを奪った。

 川崎トリオによるテンポの良いワンタッチでの連続プレーは神戸の守備陣を見事なまでに一網打尽にする、美しさすら感じさせる完璧な攻撃だった。ヒーローインタビューに選ばれた大島は「その瞬間はあまり覚えてないんですけど、めっちゃ気持ち良かったです」と笑顔で得点シーンを振り返っていた。


中村も賛辞「日本ではあまり見ることのないプレー

 試合後、度肝を抜いた4得点目についてMF中村憲剛は「日本ではあまり見ることのないプレー」と口にすると、小林は「イニエスタはああいうパス回しがしたいんじゃないかな」と、この日対峙した神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが羨むようなプレーであったと語った。

 川崎はここ数年で日本屈指のパスサッカーを確立してきたが、この日の4得点目はとりわけ世界屈指のパスサッカーを展開するバルセロナを彷彿させるシーンとなった。2位サンフレッチェ広島との勝ち点差が4に開いた首位川崎は、真骨頂であるパスサッカーリーグ連覇へ突き進んでいる。


Football ZONE web編集部・城福達也 / Tatsuya Jofuku)

(左から)FW小林悠、MF大島僚太、FW家長昭博【写真:Football ZONE web】