たとえ血が繋がった実の親であっても、もうひとりの親の許可なく、子供を州や国を越えて連れ出せばれっきとした誘拐になる。このほどアメリカで2016年から行方不明になっていた男児が無事に発見され、男児の実の母親が誘拐犯として逮捕された。『Fox 5 NY』『ABC Action News』などが伝えている。

10月16日、「全米行方不明・被搾取児童センター(The National Center for Missing and Exploited Children)」に一本の匿名通報が寄せられたことから、フロリダ州保安官事務所は2016年9月1日から行方不明になっていたマシュー・ヘイル君と母親クリスティーナ・ヘイル(40歳)の居場所を突き止めた。

現在5歳になっているマシュー君は、3歳だった2年前にマサチューセッツ州で姿を目撃されて以来行方がわからなくなっていた。同州ウエブスター郡警察によると、2016年9月にマシュー君の父親がマサチューセッツ州の裁判所にてマシュー君の全親権を得ていたという。しかし母親のクリスティーナは、マシュー君を連れて行方をくらました。2017年1月に父親がウエブスター郡に出向き通報、警察は母親が暮らす家を訪ねたが数週間前に引き払っていたようで、2人の姿はなかった。

そこで警察は行方不明者としてマシュー君の写真が載ったポスターやクリスティーナの写真を地域に配布し、捜索を続けた。クリスティーナの身内によると、マシュー君は父親から虐待されていたためクリスティーナが2013年9月に接見禁止命令を申請していたという。しかし後の裁判では、結局父親側に親権が譲られることになってしまったようだ。昨年7月にはクリスティーナの車がメイン州で発見されたことから、母子が同州で虐待を受けた被害者が利用する避難施設に身を隠していたことを警察は突き止めたが、その後クリスティーナマシュー君を連れてフロリダ州オーランドにいるいとこのもとへ向かったのではないかと推測するも、以降の足取りが掴めなくなっていた。

今回、密告を受けた警察がクリスティーナの身内とされるウォーレン・ヘイルという人物の自宅周囲を張り込んでいたことからマシュー君とクリスティーナを発見した。クリスティーナは近隣住民らに「ひどいパートナーのもとから逃げてきた」と話しており、マシュー君と2017年12月24日からこの土地で生活していたとみられている。

マサチューセッツ州に住む父親は、2年間も行方不明となっていた我が子が別の州で元気に過ごしていたことに安堵し、現在、児童・家族省の保護のもとに置かれているマシュー君とは既に再会を果たしたようだ。子供を州外に誘拐した罪で逮捕されたクリスティーナは、後に起訴となる可能性が高く、今は刑務所に収監されているという。

画像は『Fox 5 NY 2018年10月18日付「Missing Mass. boy found safe two years later in Fla.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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