英メディアが特集「日本のプレーメーカーは母国にセリエAブームを巻き起こした」

 現在セリエAは、レアル・マドリードからユベントスに加入したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド効果により例年以上の活気を見せている。英メディア「90MIN」は「売上を増加させるために、セリエAは印象的な選手を狩らなければならない」と報じ、セリエA改革におけるマーケティングの重要性を訴えるなかで、元日本代表MF中田英寿氏の名前を挙げている。

サッカー選手かマーケティングマンか? その両方を備えているのが望ましい。サッカー界全体の売り上げが増えているなかで、ソーシャルメディアとマーケティングの結び付きが強くなった。そのため、この3つの要素を押さえている選手を連れてくることが不可欠となっている。ロナウドの衝撃が素晴らしい例だ。彼の到着は社会的経済を刺激しただけでなく、記録的なユニフォームの売り上げをもたらした」

 記事では、セリエAの注目度を高めるために実力者を引き抜き、ソーシャルメディアを最大限に利用することでマーケティングにつなげる重要性を説いている。またロナウド加入で欧州の枠を超える反響を呼んだのは、中田氏以来の事象であることを指摘した。

ロナウドの到着は欧州の国境を超えてセリエAの魅力を高めているが、それはナカタ以来の反響だった。日本のプレーメーカーは多くの日本人を魅了し、母国の象徴的な選手として日本にセリエAのブームを巻き起こした。元レッジーナのナカムラ(中村俊輔)にも同様のことが言える」

 中田氏1998年イタリア1部ペルージャへと移籍すると、デビュー戦となった強豪ユベントス戦で2ゴールを奪う目覚ましい活躍を披露。加入初年で中盤ながら公式戦で10ゴールを記録した。翌年にはASローマへとステップアップし、2000年には日本人初となるセリエA優勝を経験。その後、パルマ、ボローニャ、フィオレンティーナイタリアのクラブを渡り歩き、2006年のボルトン在籍時に迎えたドイツワールドカップ(W杯)を最後に現役生活に終止符を打っていた。


近年は本田や長友がイタリア名門クラブでプレー 欧州以外の関心を高めるためには…

 近年はリーガやプレミア、ブンデスと比べセリエAの人気が見劣りしていたことに加え、リーグ・アンでもパリ・サンジェルマンがブラジル代表FWネイマールフランス代表FWキリアン・ムバッペを獲得し、サッカー界の話題を集めた。

 ロナウドという世界的スーパースターの加入は再びセリエAがスポットライトを取り戻すうえで大きな存在となるが、欧州以外での関心を集めるためには、かつての中田氏のような大陸を代表するようなタレントの獲得が必要となってくるだろう。

 近年、日本人では本田圭佑メルボルン・ビクトリー)が名門ミランプレーし、日本代表DF長友佑都ガラタサライ)もインテルに長年在籍。日本人選手の地位も着実に向上してきたなか、セリエAのクラブが再び日本人選手の獲得に乗り出す可能性もありそうだ。


Football ZONE web編集部)

ロナウド加入で欧州の枠を超える反響を呼んだのは、中田英寿氏以来の事象と英メディアが指摘【写真:Getty Images】