筆者はNHKの『ブラタモリ』が好きでよく見ています。先日の放送では「湘南」が取り上げられていました。
マンション会社に勤務していた時代に藤沢と茅ケ崎には何度も行っており、筆者にとって庭同然の場所です。
時間がゆっくりと流れる何とも不思議な魅力がある地域ですが、海に近いというのはメリットであると同時にデメリットでもあります。
今回は、海に近いエリアの物件についてのお話です。
“セリア”のアイテムだけでOK!ガスコンロ「グリル排気口」は掃除しなくていい!?「駅〇分」より「海〇分」の方が大切な不思議なエリア
「湘南」がどこからどこまでを指すのかということについては諸説ありますが、不動産業界において「湘南」を積極的にアピールしているのは藤沢と茅ケ崎であるように思います。
この辺りでは東海道線と海岸の間に2kmくらいの距離があり、当然ながら海に近づけばその分だけ駅から遠くなって生活は不便になります。
それにもかかわらず海に近い場所に住むことは一種のステータスとなっており、「駅〇分」よりも「海〇分」が重視される何とも不思議なエリアでした。
海に近い場所に住むメリット
駅から遠くなるにもかかわらず海の近くに住もうとするのはそれなりの理由があるからです。
綺麗な「オーシャンビュー」が見れる
富士山や東京タワーといった「〇〇ビュー」というものは数多くありますが、その中でも「オーシャンビュー」は最強です。
室内から海が見えるというのはお金には換算できない価値があるようで、こういった場所では海がよく見えるようバルコニーを囲うボードも透明にするといった工夫がなされます。
「波乗り三昧」の生活が送れる
湘南エリアはサーフボードを抱えた人がウェットスーツを着たままで普通に街を歩いているような地域で、波乗りをしてから仕事に向かうというような人も決して珍しくはありません。
暑がりで夏が大嫌いな筆者には到底理解できませんが、このような人たちにとっては海に近いことだけが不動産の価値になります。
そのためこのような海に近い地域で物件を探す場合、「サーフボード置き場」や砂を洗い流すための「外シャワー」の有無が設備面で重要になります。
「箱根駅伝」で盛り上がれる
正月の恒例行事である「箱根駅伝」では3区と8区で海岸沿いの国道134号線を通過するため、近隣の人は沿道で観戦することができます。
テレビ中継では辻堂付近のカメラから撮影した国道越しの富士山の映像が必ず流れますが、駅伝を愛する地域の人々にとってはこのシーンは誇りとなっています。
地元の人々の駅伝愛は筆者の想像を超えていました。
海の近くに住むデメリット
海の近くに住むのは確かにロマンティックではありますが、それだけでは済まない問題もあります。
海からの「風」が強い
海岸付近は周囲に遮蔽物がまったくないため、当然のことながら風は強くなります。
海岸沿いのマンションに住む人から話を聞いたことがありますが、台風の時は特に物凄いことになるそうです。
砂が飛んでくる
サザンオールスターズの『勝手にシンドバット』には「砂まじりの茅ケ崎」という歌詞がありますが、前述の『ブラタモリ』によれば、かつてこの地域では家の中にまで砂が侵入してくるのが普通だったそうです。
気密性が高いマンションでは窓を閉めていればこのような心配はありませんが、風通しを楽しみたい方にとっては苦痛かもしれません。
最も重大なデメリットは「塩害」
海に近い物件の最大の弱点が「塩害」です。
塩分を含んだ空気にさらされているため設備が錆やすく、メンテナンスの頻度が増すため設備の維持管理に通常以上の費用が発生します。
これも地域住民から聞いた話ですが、洗濯物がパリッと乾かないという意外なデメリットもあるようです。
決して忘れてはいけない「津波」
筆者は鎌倉が好きでよく行きますが、街のいたるところに「ここは海抜〇m」という表示があって津波に対する警戒を呼び掛けています。
鉄筋コンクリート造の建物は津波に対しても強いことは東日本大震災でも実証されていますが、津波の高さによっては水没してしまうフロアがあることを覚悟しておかなければなりません。
海沿いの物件が持つメリットとデメリットをまとめてみました。
海好きの方にとっては百も承知のことばかりではないかと思いますが、設備のメンテナンスが通常より大変ということだけは知っておいてください。
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