オーストラリア開幕戦で本田が豪州デビュー弾 不可解なVAR判定が結果に影響

 メルボルン・ビクトリーのMF本田圭佑は現地時間20日、オーストラリア・Aリーグ開幕戦のメルボルン・シティ戦にキャプテンとして先発出場し、新天地デビュー弾を決める活躍を披露した。しかし、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で不可解なPK判定から失点したメルボルン・Vは最終的に1-2と敗戦。英紙「ガーディアン」は「VARの最大の苛立ちがホンダから見出しを盗んだ」と特集している。

 本田は2017年夏にイタリアの名門ACミランを退団後、メキシコ1部パチューカに加入。クラブワールドカップ(W杯)への参戦も果たし、今夏にオーストラリアの強豪メルボルン・Vに活躍の場を移した。

 開幕戦でいきなりのダービーマッチとなったなか、先発出場した本田が0-0で迎えた前半28分にゴールネットを揺らす。右サイドからクロスが放り込まれると、中央で待ち構えた本田が相手守備陣に囲まれながらもヘディングシュートを放ち、先制点を叩き込んだ。

 同40分、主審がメルボルン・V側のファウルを一度はペナルティーエリア外と判断。ところが、VARによりボックス内でのファウルに覆り、一転してPK判定。これを決められ同点にされると、後半25分も被弾し、メルボルン・Vが逆転負けを喫した。

「『ケイスケ・ホンダメルボルンダービーで夢のようなAリーグデビュー弾を決めた』。これこそ、書かれるに値する見出しだった。それはマーケット担当者だけでなく、オーストラリアサッカーファンのためでもあった」

「夢のデビューが、コンピュータのトラブルにより破壊された」

 記事では、本田が開幕戦で見事なデビュー弾を決めたことがメディアのトピックスとなったはずだったと説明したうえで、「ベストプレイヤーの一人により、劇的な試合を飾る夢のデビューが、コンピュータのトラブルにより破壊された」と指摘。さらに次のように続けている。

「当面の悪役を引き受けたのが審判のカート・アムス氏だ。前半に酷い判定でPKを与えた。アムスはすぐさまキャスターたちから批判され、Aリーググレッグ・オルークCEOにも誤った判断と見なされた」

 VAR判定が試合結果を大きく左右し、本田のデビュー弾をかすませたと伝えている。本田は新天地デビュー戦でキャプテンマークを巻き、さらにゴールも挙げてリーグ公式の週間ベストイレブンに選出されるなど、上々のインパクトを残した。物議を醸すVAR判定が、本田の活躍以上に脚光を浴びている。(Football ZONE web編集部)

メルボルン・ビクトリーMF本田【写真:Getty Images】