ヨーロッパで人気の数字選択式宝くじ「ユーロミリオンズ(EuroMillions)」で大金を当てたイギリス人男性が、あるシングルマザーから息子の養育費とDNA検査を要求された。男性は、この女性のことなど全く記憶にないと反論している。『Mirror』『The Sun』などが伝えた。

整備工ニール・トロッターさん(45歳)は2014年3月に宝くじ「ユーロミリオンズ(EuroMillions)」で、1億793万2,603.20ポンド(約158億7,500万円)に当選し英国内で4番目の高額な宝くじ当選者となった。当時、当選を公表したニールさんのことを英メディアがこぞって報道したことから、ケント州オーピントンに住む清掃員ドーン・スカリーさん(39歳)が、ニールさんのFacebookに連絡し「息子リアムはあなたの子供。これまでの養育費としてお金を払ってほしい」と要求した。

ドーンさんによると、ニールさんとは1998年の春から1年ほど交際したが1999年の5月に妊娠が発覚したそうだ。当時ドーンさんは、サリー州モーデンにあるカフェ「Gwen’s Cafe(グウェンズカフェ)」でウエイトレスをしており、カフェから3kmほど離れた整備倉庫で仕事をしているニールさんと知り合った。その頃ニールさんが乗っていた特徴のある赤い車や、ミドルネームのJustin(ジャスティン)を使って登録した「NJT」というナンバープレートもよく覚えているという。ドーンさんはニールさん以外の男性と交際はしておらず、妊娠発覚時もお腹の子はニールさんの子供であると確信したが、結局妊娠発覚から間もなくして別れてしまった。後日、妊娠のことを電話で知らせてもニールさんからは「子供はもうこれ以上いらないと言ったじゃないか。頑張って」と冷たく突き放されてしまったという。

そして2000年2月25日、21歳のドーンさんはリアム君を出産。出生証明書の父親の欄は空白のままだったが、ドーンさんはリアム君が生後6週の時にニールさんの職場にリアム君の写真を送った。ところがニールさんからは「なぜこんなものを送り付けるんだ」と不快感を露わにした電話がかかってきただけであった。その後ドーンさんは児童扶養機関に苦情を訴えるも、ドーンさんが持っていたニールさんの住所には本人がいなかったことから苦情申請は却下されてしまった。それ以降、ドーンさんは「ニールさんのことは諦めて子育てに専念するしかない」という思いでシングルマザーとして苦労しながらリアムさんを育ててきた。ドーンさんの母キャロルさん(64歳)も、娘がニールさんと交際していたことを覚えており、「彼は実家に娘をよく迎えに来ていた。でも子供が生まれてもなんの興味も示さなかった」と話している。

ドーンさんは、ニールさんが宝くじ当選者となったのを知ったと同時に、彼の別の交際相手だった女性もニールさんの子を出産したが何の責任も取ってもらえなかったことを知った。この女性はそれを訴える手紙を500ポンド(約74,000円)の手数料を払い、弁護士を通してニールさんに渡してもらったようだが、やはりこちらもニールさんからの返信は一切なかったそうだ。ドーンさんは、法的に訴えるだけの経済的余裕がなく一時は諦めたが、育児になんの責任も負わない子供の父親が億万長者である一方、自分は困窮したシングルマザーという不公平さに納得できるはずもなく、2014年6月14日にはニールさんのFacebookアカウントに「和解金として500万ポンド(約7億3,500万円)支払ってくれたら、DNA検査を要求しないし裁判にも持ち込まず、一生付きまとうこともしない。リアムは億万長者の息子なのよ。これからの人生、苦労することがないようにしてあげたい。あなたは今大金持ちになってさぞや気分がいいでしょうね」というメッセージを送ったが、ニールさんから連絡が来ることはなかった。ドーンさんはこれまでの心境をこのように語っている。

「このことを裁判に持ち込めば私たちは破産してしまいます。昨年なんて家賃を滞納していたばかりに、私たち親子は追い出されそうになったんですよ。これまでの16年間の養育費として彼に10万ポンド(約1,500万円)は支払ってほしいのです。どうせ16年間の養育費なんて今の彼にしてみれば数週間の利子という程度でしょう。彼は今も何も気にせずに大金持ち気分を楽しんでいるのでしょうけど、彼がお金を払ってくれれば私たちは自分の家を購入する資金を得ることができるのです。私にはそこまで息子にしてやれる余裕はないですから。彼がリアムの父親でないと否定するのならDNA検査で証明してもらいたい。なんといっても息子はニールに生き写しなんですから。」

一方、4年前に宝くじ当選者としてシャンパンで祝杯をあげる自分の父を初めてTVで見たリアムさんは、「お金を貰えるなら有難く受け取りますが、僕は彼のお金がただ欲しいというのではありません。彼には僕という息子がいるという責任を受け入れてほしいのです。いつか父親には会いたい気持ちはあります。それに正直に言えば、これまで苦労して僕を育ててきてくれた母の方が大金を得るにふさわしいと思っています」と話している。

今回ニールさんはメディアの取材に対し、ドーンさんからの連絡には一切返信していないことを明らかにし、このように答えている。

「彼女のことは全く記憶にありません。確かに当時は赤い車に乗っていましたがナンバープレートのことも周りの誰もが知っていたことです。それに私がよく行っていたカフェは『George’s Cafe(ジョージズカフェ)』です。彼女は私の父の家にも行ったことがあり『白いカーペットだった』と言っていますが、父の家のカーペットは緑色ですし、彼女を連れて行ったことなどありません。1年も交際していたなんてありえない。もしかしたら会ったことはあるのかもしれませんが、これまでに多くの人に出会ってきたのと同じで、しかも19年前のことなど記憶にありませんよ。」

「彼女は、私の金が目的で追いかけてくる人の1人に過ぎません。宝くじに当選してからというもの、Facebookにも数えきれないぐらいの人が連絡してきました。借金などしたこともない私に金を返せという人もたくさんいます。彼女の言い分が本当だとしたら、たぶん私はこの国に400万人ぐらい自分の子供がいることになってしまいます。DNA検査? するわけないでしょう。一旦水門を開けてしまうと訴えてきた人全員に同じことをしなければならなくなるし、この先一生DNA検査をし続けることになりますからね。私にとって、宝くじに当選したことは人生最悪の出来事になりました。メディアでは、大金を手にした人について何一つ良いことは書きません。だからこの国ではみんな公表しなくなるんです。」

このニュースを知った人からは、「この女性、息子のことを思うならニールさんが宝くじに当選する前にもっと訴えれば良かったじゃないの。金持ちになったのを知って連絡してくるのって、たとえ息子の父親だとしてもいやらしいったらないんだけど」「養育費に500万ポンドを要求するなんてすごいな」「明らかにお金目当てよね」「でも、子供の父親と主張するなら何としてでも追及しないと」「だから、DNA検査したらはっきりするじゃないか」「子供とニールさんの写真が似ていなくもないけれど、似たような男性が偶然宝くじに当選してそれで金目あてで接触したってことも十分考えられるよな」「私だったら、たとえこの男が子供の父親であったとしてもドーンさんのように自分をここまで落としたくない」「だから大金当てても公表なんてするもんじゃないんだ」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2018年10月21日付「Single mum demands EuroMillions winner who scooped108million takes DNA paternity test over ‘love child’」』『The Sun 2018年10月22日付「WHOLE LOTTO LOVE Mum demands EuroMillions winner takes paternity test and hands over £100,000 after he ‘fathered secret love child with her 18 years ago’」(Credit: JIM BENNETT)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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