日本のお金は、江戸時代まで「両」「文」といった単位が使われていました。これが「円」に変わったのは、1871年、それまで、地域でバラバラだったお金の単位を統一しようと「新貨条例」が制定されたときのこと。
お金の単位が「円」という呼び方になった理由については、いくつか説があるようで、日本銀行の貨幣博物館では
- 楕円形、四角形など複数あった形を持ち運びしやすいよう円形に統一したから
- 製造モデルとなった香港銀貨『壱円』をまねたから
- 円銀などと呼ばれていた中国の円形通貨が伝わったから
などを挙げています。
明治時代に起こった火災で、その経緯をたどる公文書が焼失しており、残念ながら証拠となる史料は現存しません。有力な説としては、2つ目の「香港銀貨をまねたから」とされています。
また、5円玉や50円玉に穴があいているのは、偽造防止対策のためという理由が一つにあるそうです。
貨幣のデザインはどうやって決めてるの?
ちなみに、日本の硬貨のデザインとして選ばれるものは、日本人が一般的に懐かしいと感じるものや、生活にとけこんでいて親しみのあるものなんだとか。この貨幣のデザインに関しては、造幣局の職員が考える場合と、一般の人から募集する場合があるそうです。
一方、紙幣に関しては、誰の肖像を採用するかは財務大臣がきめることになっています。
財務省によると、紙幣は老若男女すべての人が使用するものなので、たとえば学校の教科書に載っているなど、一般的に広く知られている人物から選んでいるそうです。
また、偽造防止の目的から、なるべく正確で細かい肖像写真、もしくは絵画が入手できる人物でることも採用基準とされているようです。
印刷技術が今のように高度でなかった時代は、皴や髭といった細かい線や複雑な形状の多い肖像画が好まれたといわれています。
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