株式会社マンダム(本社:大阪市、社長執行役員:西村元延 以下マンダム)は、見た目の印象を向上させるスキンケア製品の提供を目指し、印象肌研究に取り組んでいます。
これまでの研究で、ミドル男性の「若々しい印象」は肌の明るさに左右され、スキンケアによって肌状態を良好にし、その印象をも改善できること、さらに、第三者がその印象を判断する際にはほほを見て判断していることを明らかにしました。
今回は、ヤング男性の顔印象と見た目の肌状態との関連を調べました。数あるその人の顔印象項目の中でも「清潔感がある」印象は、見た目の肌状態の良し悪しと密接な関係があることがわかりました。また、「清潔感がある」と判断する際には、他の顔印象項目を評価するときと比べて、ほほや額を見る時間が長いことがわかりました。専門パネル(※1)が評価する皮膚外観特性の中では、皮膚の凹凸や毛穴、肌色(明るさ・ムラ)が清潔感との関連が深く、これらが良い/悪い状態をシミュレーションした顔画像の印象を評価したところ、肌状態が良いほうが有意に「清潔感がある」印象が高くなることがわかりました。

本研究成果については、2018年9月1日~2日に開催された第23回日本顔学会大会(フォーラム顔学2018)にて発表を行いました。

1.ヤング男性の顔印象の中で、肌状態と密接に関係しているのは「清潔感がある」
ヤング男性(16~29歳)55名を同一条件で撮影し、背景・ヘアスタイル情報を削除した顔画像を作成しました。その顔画像を呈示し、第三者の男女計35名(20~40歳代)が各顔画像の顔印象13項目(「清潔感がある」「誠実そう」等)と肌状態 11項目(「透明感がある」「スベスベしている」等)を、VAS法(※2)を用いて評価を行い、相互の相関性を確認したところ、顔印象項目の中でも「清潔感がある」は、肌状態項目との相関が多数認められることが確認できました[表1]。


2.「清潔感がある」を評価する際に注視しているのは、ほほや額
「清潔感がある」を評価する際に注視されているのはどこなのか、上記と同様の55名分の顔画像に対して、第三者の男女計20名(20~40歳代)がアイトラッカー(※3)を用いて視線計測しました。「誠実そう」「話しやすそう」といった印象項目についても解析を行い、比較したところ、「清潔感がある」と評価するときは、他の2つの印象項目に比べて、目や鼻を見ている時間は短く、ほほや額を見ている時間は長いという結果を得ました[図1、2]。清潔感は肌状態と密接に関係していることから、ほほや額といった肌の状態がわかりやすい部位で肌状態を認識して評価していることが推察されます。

3.「清潔感がある」印象を向上させるには、肌の「凹凸」「毛穴」「肌色(明るさ・ムラ)」が重要
「清潔感がある」と判断されている肌は、どんな肌であるかを、専門パネル(※1)の目視による皮膚外観特性で確認しました。この結果より、清潔感の印象スコアは、ひげやニキビよりも肌の凹凸(ザラザラ・デコボコ)や毛穴、肌色(明るさ・ムラ)で高い相関があることがわかりました[表2]。そこで、ここで抽出された5つの特性「肌のザラザラ」「肌のデコボコ」「毛穴の目立ち」「肌の明るさ」「肌の色ムラ」について、良い肌状態の顔画像および悪い肌状態の顔画像における皮膚外観特性情報をヤング男性の顔画像に合成し、同じ顔立ちで肌状態の異なる10パターンの画像を、30名分作成しました[図3]。第三者の男女計36名(20~40歳代)が、このシミュレーション画像に対して、「清潔感がある」印象を評価しました。その結果、どの特性でも、良い肌状態のシミュレーション画像のほうが有意に高いスコアを示しました[図4]。この結果により肌状態が良くなることがヤング男性の清潔感印象の向上につながると推察されます。

マンダムでは、これらの知見をもとにさらなる研究を重ね、ヤング男性の印象向上につながるスキンケア製品の開発に応用していきます。

※1 スキンケア業務に従事し、共通した評価軸を有するパネル5名を示す。ここでは専門パネルが評価する肌の状態を「皮膚外観特性」としている。
※2 視覚的評価スケール:Visual Analogue Scale 法、一直線上の左端に「そう思わない」、右端に「そう思う」と記し、評価者が直線上のどの位置を指すかで印象を評価する方法。
※3 アイトラッカー:視線解析機器 Tobii Pro X2-60(Tobii Technology 社製)を用いた。

以上

配信元企業:株式会社マンダム

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