外為どっとコム総合研究所は10月15日、「外為白書2017-18(第9号)」を発行した。同社が2009年6月に日本発の外国為替(FX)専門のシンクタンクとして設立して以来、毎年欠かさずに発行を続け、FX市場の変遷を日々の市場変化の理由を知ることができる「相場のあゆみ」など貴重な資料になっている。今号からは、従来のA4版を改めてB5版とコンパクト化するとともに、新たに「米国経済の歩みと日本の課題」という特集を組み込むなど、従来の資料集から一歩踏み込んだ内容にした。
 
 白書の構成は、第1章「2017年7月~2018年6月の相場のあゆみ」、第2章「特集『米国経済の歩みと日本の課題』」、第3章「業界のあゆみ」、第4章「FX投資家アンケートによる実態調査」。
 
 第1章の相場のあゆみでは、従来取り上げていた通貨ペアを主要通貨に絞り込んでコンパクトにした。取り上げているのは「ドル/円」「ユーロ/円」「豪ドル/円」「ポンド/円」の4通貨ペア。従来あった「カナダドル/円」「NZドル/円」「ランド/円」などは収録しなかった。これは、店頭FX市場での取引高シェアがそれぞれ1%に満たないなど、市場での感心が薄いため。
 
 第2章は、初めて取り組んだ特集。米国の雇用統計とFOMCについて、2017年7月~18年6月までの発表内容と市場の反応を追ったもの。米国雇用統計の発表は、市場にインパクトを及ぼすイベントとして毎月の発表内容にFX投資家の関心が高い。
 
 第3章の業界のあゆみは、金融先物取引業協会の統計資料等をまとめたものだが、2017年度(17年4月~18年3月)の店頭取引とくりっく365の合計取引金額は、4223兆8750億円と、過去5年間で最低の取引金額になった。ドル/円の価格変動率が前年度比で小さくなり取引金額も減少したことが、全体の取引金額を低調にした。その中にあっては、ユーロ/円の取引金額が前年比76.4%増と大幅に伸びた。
 
 第4章の投資家アンケートでは、17年7月~18年6月の外為どっとコムの投資家の動向が明らかにされている。取引通貨ペアは、ドル/円が買い人気で不動の第1位だが、第2位にはドルコリラ/円が浮上。高金利通貨として人気を集め、価格が長期的に下落する中で、押し目買いが続いた影響だ。それだけに、8月のトルコリラの急落では、多くの個人投資家がダメージを受けた。一方、取引頻度では、1日に複数回の取引を行うデイトレーダーの割合が37.3%(取引頻度ではトップ、2位は週1回程度の14.5%)と5年ぶりに低下した。
 
 同白書の編集を主導した外為どっとコム総研の取締役調査部長の神田卓也氏は、「外為市場の資料としての価値を残しつつ、読み物としても楽しんでいただけるようにリニューアルした。今後も、慣習にとらわれることなくマイナーチェンジを繰り返しながら白書の発行を継続したい」と語っていた。価格は本体2000円+税。アマゾンで取り扱っている。(写真は、「外為白書(第9号)」の特徴を紹介する外為どっとコム総研の神田卓也氏)

外為どっとコム総研「外為白書2017-18」、ドル/円の取引低調でFX総取引高は過去5年で最低