体内の水分の変化で筋肉量も変化

私達の体は水分で満ちています。胎児の水分はなんと約90%!新生児になると75%、成人になると約60%と言われています。細胞内の体液(水分)が減っていく老化は、乾燥のプロセスとも言えそうです。

また、体内の水分は脂肪によりも、筋肉のほうに多いことから、体内の水分量の減少は筋肉量の低下、とも捉えることができます。

ミネラルウォーターの成分表を見たことありますか?

体内には水分が必要なのに、日々減っていくので、それに合わせて水分を取り入れていかなければいけません。だから、水を飲むことは生きるためにとても大切なのです。

飲む水と言えば、今や、その代表はミネラルウォーターですが、市販されているミネラルウォーターの成分表をまじまじと見たことがありますか?ここには、硬度が表記されていることがあります。

水の硬度の話はよく出ますが、硬度が高い、低いとは何でしょうか?

硬度とはカルシウムとマグネシウムの濃度

硬度とは、カルシウムマグネシウムの濃度。これらが高いほど、水の硬度は高くなります。そして水の硬度によってその飲み心地に差があるだけでなく、料理や飲み物を作る時にも、影響が出るのです。

例えば、関東の水は関西よりもやや硬度が高め。そのため、関東ではより長い時間をかけないと、だしの旨み成分が出ません。そこで、長時間かけてだしを取る関東の料理は濃味になり、関西では薄味の料理が発達したと言えます。調理法を忠実に再現しても、水の硬度が違えば味わいは違ってくるのです。

ちなみに、肉を煮るなら硬水がオススメです。肉から浮き出したアクがかたまり、クリアな煮汁になるのです。

また、彼の出身地によって、あなたの作る料理が口に合うか合わないかも、水からの影響があるかもしれません。もし、彼が「おふくろの味」を懐かしがるなら、水を替えてみると反応が変わってくるかもしれませんよ。

料理やドリンクの味を変える硬度

緑茶や紅茶などの飲み物をいれる時にも、最適な硬度があります。緑茶に含まれる渋み成分・タンニンは、軟水のほうが渋さや苦さが出やすいです。タンニンの働きを引き出し、渋みを楽しむなら軟水、抑制することで渋さを抑えた甘いお茶にしたいなら、硬水を選びましょう。

紅茶の場合は少し複雑で、産地やブレンドの方法によって、理想的な硬度も変わってきます。例えばイギリス直輸入の茶葉なら、中硬水で入れたほうが渋みが出すぎず、おいしいくいれられます。理由は、イギリスの水が中硬水だから。

無味無臭に思える水ですが、思った以上に、料理や飲み物を作る上でとても重要な役割を果たしているのですね。

ライター:幸雅子

出典:『ヨガと食事をもっと楽しむ!』/「水と体と食べるということ」

監修:山中亜希/ミネラルウォーターの価値や正しい情報を提供するアクアソムリエ。ミネラルウォーター専門店「AQUA STORE&BAR CONCEPT」ディレクター。

“彼の胃袋をつかむ”のに水の使い分けが必要なワケ