9月の全国百貨店売上高が全店ベースで4,197億円だったことが23日、日本百貨店協会のまとめで分かった。既存店ベースでは、北海道胆振東部地震や関西を直撃した台風など各地で自然災害が相次いだことから、前年同期比3.0%の減。3カ月連続で前年同期を下回る結果となった。

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 顧客別では、国内向けが3カ月連続マイナスの前年同期比3.5%減を記録した一方、訪日外国人客向けの免税売上高は台風の直撃で関西空港閉鎖の影響を受けた大阪地区を名古屋地区や福岡地区などが補う形となり、同6.3%増の約246億円と22カ月連続でプラスとしている。

 地区別では、主要10地区のうち、札幌、仙台、名古屋、京都、大阪の5地区が2カ月ぶりのマイナスに転じたほか、広島地区が3カ月連続、神戸地区が13カ月連続のマイナスを記録した。

 札幌地区は胆振東部地震で休業や営業時間短縮を余儀なくされた店舗があり、同11.1%の減少となった。大阪、京都の両地区は好調を続けていた訪日外国人客が台風による関西空港閉鎖の影響で減ったことが響き、大阪地区が4.1%、京都地区が6.7%のマイナスに落ち込んでいる。

 プラスを維持したのは、東京、横浜、福岡の3地区で、東京地区では改装やイベントの効果が一部店舗の売上高を伸ばし、全体を押し上げている。

 地方は同4.1%減で、前月の3.0%減からマイナス幅を広げた。近畿地区11.4%減、東北地区4.2%減、中部地区3.7%減など大幅に減少した地域があり、前年同期比でプラスを達成した地区はなかった。

 商品別では、売上構成比の3割を占める衣料品が低迷し、同5.4%の減少となった。家庭用品8.8%減、商品券6.6%減など大半の商品が前年割れしている。食料品は2.2%、身の回り品は1.9%のマイナスだった。健闘してプラスを維持したのは、22カ月連続の雑貨で0.6%増。訪日外国人客の需要が高い化粧品の1.8%増、高級腕時計が好調な美術・宝飾・貴金属の1.0%増が牽引した格好だ。

9月の全国百貨店売上高、各地で災害が相次ぎ3%減