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官房長官は23日午後11時頃、臨時の緊急記者会見を開き、シリアの武装組織に拘束されていたと思われるフリージャーナリストの安田純平さん(44)が解放された可能性が高い、との情報が入ったと発表した。安田さんと思われる男性が解放され、トルコ政府に保護されているとし、現在、日本政府が身元を確認中だとしている。

官房長官は会見で、「日本時間19時40分ごろ、早ければ本日中に解放されるという情報がカタール国からもたらされた」としている。その後、日本時間21時ごろ、カタール国からの連絡として、「安田純平氏が解放され、トルコ当局のアンタキヤの入管施設にいるとの情報がもたらされている」と述べた。また、これらの話を総合し「解放されたのは安田純平氏本人である可能性が高い」としている。

安田さんと長年親交があり『ガザの空の下―それでも明日は来るし人は生きる』(dZERO) の著作もあるジャーナリストの藤原亮司さんは、今回の安田さん解放の報を受けて、MAG2 NEWSの取材に答え、

「解放が事実であれば、とにかく長い間よく頑張ってくれてお疲れ様でしたと言いたい。

安田さんは、当初は拘束された立場であったかもしれないが、その後は武装組織との間で関係を築いてサバイバルを続けてきたのだろうと思う。

彼は誰一人外国人ジャーナリストが入ることができなくなった反体制派支配地域において、ただ一人取材を続けてきた外国人だ。拘束されているという限定的な立場とはいえ、彼がこの3年4ヶ月の間に見聞きしたことは、シリア内戦を知る上で非常に貴重な情報であることは間違いない。

彼がいずれ伝えるであろうその情報を待ちつつ、まずは元気な彼の姿に会えることを楽しみにしたい」とコメントした。

安田さんの10年来の友人は「行方不明になった2015年の2月頃に無料通話アプリで会話したのを最後に、その後は連絡が取れなくなっていたので心配していた。今はとにかく無事に解放されたことを喜びたい」と話した。

3年前の2015年6月、安田さんはシリアの内戦を取材するため、トルコ南部から国境を越えてシリアに入ったあと行方がわからなくなっていた。

その後、戦場ジャーナリストらの情報として、現地の武装組織に拘束されているとみられ、2016年3月には、安田さんとみられる人物の動画がネット上で公開されたほか、その2か月後には「助けてください。これが最後のチャンスです」などと日本語で記された紙を持った画像がネット上に投稿されていた。

また、今年7月には、安田さんとみられる人物が英語と日本語で助けを求める映像がネット上に2回相次いで投稿され、「ウマルです、韓国人です」などと話し、憶測を呼んでいた。

官房長官は、映像は安田さん本人とみられるとして情報収集にあたるとともに、解放に向け引き続き全力を尽くす考えを示していた。

image by: Facebook(tarik abdul hak)

MAG2 NEWS