少女の不思議な体験を描いた漫画「迷子センター」が、SNS上で話題となっています。学校から帰宅途中、歩道に座り込むサラリーマンに出会った少女。男性は「迷子」と告げ、帰る家も分からなかったため、少女はとある施設に連れていきますが…という内容で、「名作」「優しい気持ちになれる」「奥深い」「胸が締め付けられる」などの声が上がっています。作者の男性に聞きました。

作者があれこれ言うのは野暮

 この漫画を描いたのは、皆本形介(ペンネーム)さん(31)です。2012年に漫画家デビューしました。「マルドゥック・デーモンズ」などの漫画を描いています。現在、漫画配信サイト「マガポケ」で「バトル・アリーナ」を連載中です。

Q.漫画を描き始めたのはいつ頃ですか。

皆本さん「幼い頃から、自由帳に漫画のようなものを描いてはいたのですが、はっきりと漫画の道を志すようになったのは中学3年生です。高校受験を控え、将来のことを初めて真剣に考えなければいけなくなりました。

今振り返れば、現実逃避として漫画家を目指し始めたのだと思います。人間、全力で逃げれば、意外と悪くない場所に辿り着けるのかもしれません」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

皆本さん「実はこの漫画は5年半前に描いたものをリメイクしています。自分がどのような経緯でこの漫画を描いたのか、今ではまったく思い出せません」

Q.「まいごセンター」は、死者が一時的に集まる待合所のようなものでしょうか。

皆本さん「作者があれこれ言い切ってしまうのは野暮な類の漫画かなと思います。解釈については、読んでくださった方に委ねます」

Q.知人や有名人などを含め、過去に亡くなった方でお会いしたい人はいますか。

皆本さん「難しい質問です。有名人でいえば、hideさんを一度、生で見てみたかったと、たまに思います」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

皆本さん「おおむね面白がっていただいているようで良かったです。ちょっとした元ネタに気づいてくださった方もいました」

Q.創作活動で今後取り組んでいきたいことは。

皆本さん「各話完結型の漫画の連載をやってみたい気持ちがずっとあります。また、去年から、ツイッター上に今回のような短い漫画を投稿しているのですが、それは今後も緩く継続していきたいなと思っています」

報道チーム

漫画「迷子センター」のカット=皆本形介(@mnmtksk)さん提供