トンネルの中の少年


(Syldavia/iStock / Getty Images Plus/写真はイメージです)

20日、家出中の男子中学生を誘拐したとして、警視庁大崎署は43歳の女を未成年者誘拐容疑で逮捕していたことがわかった。

■家出中の学生を5日間自宅に

読売新聞の報道によると、女は15日の朝、東京・品川区にあるコインランドリーにいた家出中の男子中学生に声をかけ、自宅に連れ込んだ。それから5日間にわたって誘拐した疑い。

調べに対して女は「誘拐するつもりはなかった」と容疑を否認しているという。

報道を受けてネットでは、男子生徒の安否を気遣う声のほか、男子生徒が家出中だったことから「連れ込むというか、補導じゃないの?」との意見も見られる。

■家出中の女子中学生を誘拐

4年前、未成年誘拐の疑いで24歳の男が逮捕された事件がある。家出をした女子中学生がインターネットに書き込んだ「誰か泊めてくれない?」に応じた男が2日間自宅に連れ込んだ、と報じられた。

家出から1週間後、男の携帯電話から学校に「ご飯やお風呂の世話もしてもらっている」と連絡したことから保護された。

2日間、男は少女に対してわいせつな行為や暴力を振るわれることはなく、一切危害を加えていないことが明らかになっている。このとき「危害も加えず、生活の面倒を見ていたのに、補導じゃなく誘拐なの?」との意見もあった。

■相手が未成年者である限り「誘拐」

しらべぇで既報だが、8月には16歳の少年が女子中学生を誘拐し、5日間にわたり連れ回したことから逮捕された。

ふたりはインターネットを通じて知り合い、共通の知人に会うため一緒に行動していたことから「普通のカップルじゃん」「誘拐という表現に違和感を覚える」との声も見られた。

しかし、これらは相手が、親権者の同意が必要な未成年者である限り「誘拐」になってしまう。たとえ未成年者本人が同意していても、自宅に泊まるという行為はもちろんのこと、外を連れまわすことも「誘拐罪」になりうるのだ。

■家出の経験アリは13%

かつて、しらべぇ編集部では「家出をしたことがある」のか調査を行っている。その結果、全体の13.4%に家出の経験があることがわかった。

(©ニュースサイトしらべぇ

たとえ、家出中の未成年と出会った際「危険な目に遭わないように…」と保護したつもりでも、誘拐した犯人になっている可能性が高い。説得して警察に向かうことが最善だ。

■「保護じゃなくて?」「非常識」

今回の誘拐事件は、5日間の生活や保護されるまでの経緯などは明らかになっていないが「家出中の男子…誘拐なの? 保護じゃなくて?」という意見もある。

ただ、他人の未成年者を自宅に入れる行為を「非常識」という意見も多数挙がっている。保護された男子生徒が心身ともに健康な状態であることを祈る。

・合わせて読みたい→16歳の少年が中1の少女を誘拐で逮捕 「ひと夏のカップル」に悲しみの声相次ぐ

(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」 調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の男女1,376名(有効回答数)

43歳の女が男子中学生を誘拐容疑で逮捕 5日間の自宅連れ込みに「非常識」の声も