妊娠中は、さまざまな体調の変化を感じるものです。食欲が増すことも、赤ちゃんを育てるための必要な反応といえます。今回は妊娠20週を迎えた方からの相談です。食欲が止まらず1日中食べることもあるそうで、胎児への影響を心配されています。その質問を受け、専門家からはどのようなアドバイスが寄せられたでしょうか。



妊娠20週のプレママさんからの相談:「体重コントロール」


妊娠4ヶ月ごろまで、つわりがひどくて全く食べられなかった反動で、つわりがおさまってからはものすごく食欲が増進して自分でコントロールすることができません。気がつけば、おやつを口にしたりスナックを口にしたりで、1日3食の食事以外でもずっと食べっぱなしの状況です。体重もここ1ヶ月で4kgも増えてしまいどうすれば良いのかわかりません。このまま食べ続ければ、もっと体重増加してしまい難産になるかもしれないと看護師さんには脅されています。意思が弱くて食べることを我慢できないのですが、この食欲をどうにかして抑えたいです。良いアイディアはありますでしょうか。(30歳・女性)




栄養過多は健康を害することも

妊娠は体質の変化を起こします。食欲増進は当たり前の反応といえます。しかしコントロールは必要です。




『ひどかったつわりが治まって良かったですね。食べられなかった反動がくるのはよく分かります。しかし、妊娠中に体重が増えすぎることで、妊娠高血圧症候群など妊娠中の合併症になりやすくなります。妊娠合併症は赤ちゃんにも影響が出て母子ともに危険な状態を招くことも少なくありません。また、産道に脂肪がつくことで赤ちゃんが出てきづらくなり帝王切開になる可能性も高まります。ですから体重の増加が大きいことが続くと危険です。適切な体重増加は、もともとの体重やつわりの時期の体重減少によって異なります。(看護師)』





『妊娠中の食欲はなかなかコントロールしづらいですね。食べ過ぎたり、食べられなかったり、偏食になったり、人によって悩みも様々です。しかし、栄養過多は妊娠高血圧症候群など命にかかわる妊娠・出産のトラブルを招くこともあるので対策は必要です。(看護師)』




栄養過多を防ぐ妊娠中の食事のポイント

食事についてのポイントと運動についてアドバイスがありました。




『工夫の方法としては、間食では三度の食事で不足しがちな栄養素を補うことです。お菓子やスナックは買い置きしないようにする、果物やヨーグルトこんにゃくゼリーにするなどがあります。妊娠中の自己判断での栄養制限は危険です。必要な栄養摂取量は妊娠前からこれまでの体重にもよりますので必ず相談したうえで、栄養を制限する必要があるとされるときには毎回の食事で食べる順番やよく噛むなど満足感のある食べ方についての工夫もあります。(看護師)』





『間食はナッツ類やドライフルーツ、グミやガムなどの油分の少ないお菓子を選ばれてはいかがでしょう。また、カロリーは洋菓子よりは和菓子のほうが低いものが多いです。満腹になるまで食べてしまうときには、毎食のご飯や間食の量を一口分減らしてみるのも簡単な方法です。身体を動かすことができるのであれば、マタニティヨガやエクササイズをするのもよいと思います。体重は増えすぎてはいけませんが、適度に増えるものです。今はつわりで食べられなかった分を取り戻していると考えて、明日から取り組んでみてください。急に食べる量を減らす必要はありません。少しずつ見直してみてください。(看護師)』





『無理のない食事が一番大切です。栄養バランスを考えましょう。今は、妊娠中の食事の工夫を紹介するサイトや本など、情報はたくさんあります。まずは、自分にとって適切な体重の増加がどれくらいか医師や助産師に確認をして、それを守りながら利用しましょう。出来る限り我慢のない工夫がオススメです。なるべくストレスは少なくしましょう。(看護師)』




体重が増えすぎると妊娠高血圧症候群など妊娠中の合併症や出産のトラブルになりかねないので注意が必要です。自己判断で栄養制限するのは危険ですから、まずは自分にとって適切な体重増加を確認したうえで、間食は油分の少ないものにしたり、不足しがちな栄養素が補えるものを選んだり、食べ応えのある食べ方の工夫をすることが勧められています。妊娠中の食事の工夫などを紹介するサイトや本を参考にすると良いとのアドバイスもありました。



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