EXシアター六本木にて、2018年11月15日(木)より開幕する舞台『暁のヨナ〜緋色の宿命編〜』の制作発表が10月23日(火)、都内某所にて催された。囲み会見には、W主演となるヨナ役の生駒里奈、ハク役の矢部昌暉(DISH//)をはじめ、キジャ役の山本一慶、ジェハ役の西川俊介、シンア役の奥谷知弘、ゼノ役の木津つばさ、ユン役の樋口裕太、そしてスウォン役の陳内将が登壇した。

「役になりきった顔でお願いします!」と声をかけると、キャストの表情が一変

「役になりきった顔でお願いします!」と声をかけると、キャストの表情が一変

本作は「花とゆめ」(白泉社)にて連載中の、草凪みずほによる大河ファンタジー漫画。謀反により父を殺された王女・ヨナが流浪の身となりながら、様々な人との出会いにより成長し、自身の運命と向き合っていく姿が描かれる。単行本は現在27巻まで刊行され、シリーズ累計620万部以上を突破。2014年にはアニメ化もされた人気作品だ。舞台としては、2016年3月に第1弾の公演が行われた。本作では、単行本1巻から7巻までの、冒険のはじまりから四龍の仲間たちと出会う物語を舞台として表現する。

会見中は終始和やかな雰囲気

会見中は終始和やかな雰囲気

主演のヨナを演じる生駒里奈は、これまでの環境と異なる、男性キャストに囲まれた現場に「日々、姫として闘っています」とコメント。さらに「今までやってきた会見と雰囲気もテイストも違って、困っています」と明かすと、スウォン役の陳内将から「生駒(困)ってる?」と突っ込まれ「個性豊かな人が集まって楽しいです」と笑顔を見せた。

W主演となるハク役の矢部昌暉(DISH//)は、報道陣から稽古中のムードメーカーは誰かを問われると「やっぱり、ゼノ役のつばさくん(木津)かな」と回答。すかさず木津から「俺、まだ稽古2回しか出てないって! 嘘じゃん!」と突っ込まれると「今日は、みんなのためにキジャ役の一慶くん(山本)がプリンとケーキを買ってくれたので、彼がムードメーカーです」と言い直していた。稽古がスタートしたばかりとは思えないほど、和気藹々とした空気の囲み会見より、キャストの意気込みや質疑応答の内容も含め紹介しよう。

囲み会見コメント

生駒里奈/ヨナ役

これまでは男の子の役や、女の子だけど自分のことを「僕」と呼ぶような役ばかりで、ヨナのように女の子らしい役は自分にとっては初挑戦なので、頑張りたいなと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

お姫様という設定が、演じる上で楽しみな部分なんですけど、父を殺されて城を追い出されて、ハクと共に成長していく様を、どういう風に演じたらお客様に伝わるかなっていうところが、一番難しいしやりがいがあるなと思ってます。本番を見に来てくださった方が、よかったと思ってもらえるようなヨナを演じたいです。

ーー舞台を楽しみに待っている方にメッセージを。

暁のヨナ」を読んだ時に、楽しいしすごく面白いという刺激があったんですけど、この舞台を見るお客様にも、そういう気持ちになってほしいなと思います。まだまだ作り途中ですし、今後どうなっていくのか私も楽しみな部分がありますが、舞台を見た方に「いい時間だったな」と満足して帰っていただけるように頑張りますので、楽しみに待っていてください。

■矢部昌暉(DISH//)/ハク役

矢部昌暉(DASH//)

矢部昌暉(DASH//)

僕の演じる役は、ヨナ姫の幼馴染で専属護衛、そしてめちゃめちゃ強いです。僕にとって殺陣が初挑戦なので、強いというところを見せるためにも、殺陣を頑張りたいなと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

戦っている時間が長いので(殺陣の)手を覚えられるかということや、殺陣が初挑戦なので、そこでいきなり槍のような長い武器を使って戦うというのが、すごく心配で、本番中に忘れてしまわないかなどの心配はあります。でも男としては、戦うことはやっぱり好きなので、そこは楽しみでもあり、少し不安なところでもあります。

ーー舞台を楽しみに待っている方にメッセージを。

本当にすごく魅力的で、色々な個性を持ったキャラクターたちが戦いまくって、人間ドラマ溢れる作品になっています。絶対に楽しいと思うので、ぜひ劇場に足を運んでいただき、見ていただきたいなと思います。よろしくお願いします!

■山本一慶/キジャ役

山本一慶

山本一慶

僕の役は、白龍という龍の力を持つ四龍の一人で、右手に龍の力を宿しています。(役柄上)右手が大きくなっちゃうので、舞台上でそれをどう見せるのか、自分の中で深く練っていこうかなと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

キジャは、四龍の中でも珍しく大切に育てられている方なんですけども、そんな中でちょっと天然な部分もあるので、旅の御一行のムードメーカーになるような空気作りを頑張ろうと思います。殺陣では、手が大きくなっちゃうシーンが楽しみです。

■西川俊介/ジェハ役

西川俊介

西川俊介

ジェハは四龍の戦士の一人で、僕は足に龍の力を持っています。今回は蹴りのアクションがメインになるので、頑張っていきたいと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

自分自身、体が硬い部分があるので、柔軟を大事にしながら足を綺麗に見せられるようなアクションを頑張りたいです。アクションもお芝居もまだ余裕がないので、本番前までにたくさんコミュニケーションをとりながら、頑張っていきたいなと思います。

■奥谷知弘/シンア役

奥谷知弘

奥谷知弘

シンアは四龍の中でも、唯一避けられていた龍の力の持ち主で、眼にその力を宿しています。龍の力によって周りの人から避けられるような悲しい過去があって、口数も少なく、仮面をしています。舞台上ではボディランゲージが多くなりますが、それでしか伝えられない面白さが表現できればと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

シンアには悲しい過去がありますが、ヨナ御一行の中でも、周りを和ませるキャラだなと強く思います。締める時はもちろん締めますが、その中でも和気藹々と作っていく上で生まれるお芝居もあると思うので、そうした楽しさを出せたら良いなと思っています。仮面をつけたままのアクションは正直不安なところはありますが、本番前までには完璧にして、素敵なものを見せられるようにします。

■木津つばさ/ゼノ役

木津つばさ

木津つばさ

ゼノは、龍の力を全身に宿しています。果たしてこの作品で、ゼノが出演するのかどうか(それはするでしょ、と周囲から総ツッコミ)1巻から7巻までの原作では、ゼノは登場していないのですが、どんな場面で出てくるのか、皆さんに印象付けられるように頑張りたいと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

殺陣ができるかどうかが楽しみなところですね。みなさんの殺陣を見ていてうずうずしているんですけども、ただやられるだけかもしれない……。難しいところは、ヨナ姫と出会えるかどうか。もしかしたら出会わないところで終わるかもしれない。ヨナ姫と出会えるように頑張ります。

■樋口裕太/ユン役

樋口裕太

樋口裕太

僕は、龍の力を宿していません。僕自身は初演に出させていただいて以来、約2年ぶりの新作ということで、僕以外のキャスト全員が変わってしまうという非常事態が起きているんですけども、新しいキャストと共に新しい「暁のヨナ」を作れたらなと思っていますので、精一杯頑張ります。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

この物語ではヨナの成長が描かれていて、ユンは最初、王族が嫌いなので、ヨナのことも嫌いなんです。その心をどう動かしてくれるのか、生駒ちゃんにかかってるんじゃないかなと思っているんです。四龍の心をどう動かせるのかも、生駒ちゃんにかかってるな、と思いますね。

■陣内将/スウォン役

陳内将

陳内将

ヨナが謀反により父親を殺されるところから物語がはじまりますが、ヨナの父を殺したのが僕です(一同笑)。でもそこには、スウォンの正義もあるし、スウォンが守るべきものがあるし、みんなとは違う正義を僕も持って物語の中で生きていくので、スウォンの背景を大事にしながら表現できるように、頑張っていきたいと思います。

ーー役柄を演じる上で楽しみな点・難しいと思っている点は。

暁のヨナ」の原作を自分が読んだ時に感じた儚さや、ハラハラしたり、キュンってしたり、漫画やアニメで見て感じたものを、しっかりこの舞台でもお客様に伝えることが僕の使命だと思っているので、そういうコミュニケーションをとりつつ、みんなで上に向かいたいなと思います。

矢部昌暉(DISH//)「はじめは目も合わせられなかった」

報道陣から生駒の印象を聞かれた矢部は「初めてお会いした時、お互い人見知りで目も合わせられなかったんです。今ではすごい喋れるようになって、人見知りが解放されてよかったなって思っています」とコメント。

矢部昌暉(DASH//)

矢部昌暉(DASH//)

囲み会見後に行われたインタビューでは、すっかり打ち解けた主演同士の笑顔が印象的だった。殺陣のシーンが多い矢部に対して、生駒は「怪我だけは本当に気をつけてほしい。今日の稽古も、ヨナが隠れている間にハクはずっと戦っていたので、いっぱい湿布をあげたいです」と気遣っていた。以下、インタビューの模様をお届けする。

ーーW主演として、どんな気持ちですか?

矢部:舞台に出るのは2作品目で、主演は初めてです。殺陣も2.5次元作品に出させていただくのも初めてで、初めてなこと尽くしで、自分のことでいっぱいいっぱいですね。主演らしいことも何ひとつできていませんが、周りの方々がすごいので、僕がついていっている感じです。

ーーDISH//のメンバーはどのような反応をしていますか?

矢部:見に来たいとは言ってくれるんですけども、「見に行く」って言いながら、僕が出る作品は1回も見に来たことがなくて、今回もわかんないんですけど(笑)無理矢理にでも来させようかなと思います。

ーー生駒さんはどうですか? 乃木坂46のメンバーは見に来ますか?

生駒:同時期に舞台に出ている子とか、11月なので年末のいろんなお仕事がはじまる時期じゃないですか。なので、体を休めることを優先して、もし見に来られるなら、来てほしいなと思っています。同時期に若月佑美も主演で舞台に出ていて、お互い違うところで頑張っているというのは、切磋琢磨できる存在だなと思います。LINEのやりとりでお互い頑張ろうね、みたいなことも話しましたし、来る来ないにせよ、頑張ってるなっていうのを感じながらやれるのは嬉しいです。

ーー今年、乃木坂46を卒業したばかりですが、改めてどう感じていますか?

生駒:一つひとつが勝負なので、どんな経験も来年に繋がると思って、一個一個のことをやらせていただいています。

ーー今後は女優として活動していきたいですか?

生駒:自分にチャンスをいただけるのであれば、何事も拒まずにやれないって壁を作らないで、色々なことに挑戦していきたいというスタンスです。

ーー歌はあまりやりたくない?

生駒:私、下手くそなんで(笑)やってくださいって言われたら「ハイ!」って言いますけど。自分から「ハイ!」って言うことは、「ナシ!」だと思います。

ーー矢部さんは殺陣のシーンが多いとのことですが、怪我をしないように練習するのは大変ですよね。

矢部:そうですね、怪我には気をつけてとは(DISH//のメンバーに)すごい言われているので、準備体操をしっかりしています。僕すごく怪我しがちで、以前足を骨折した時にライブに出て、椅子に座ったまま演奏とかしていたので。そこだけは気をつけたいと思っています。

ーーちなみに、今回の作品で2人のラブシーンはあるんですか?

矢部:(生駒と声をそろえて)それは、見てのお楽しみじゃないですかね。原作にはありますけども、そこは見に来ていただいたらわかる、と思いますね。

ーー生駒さんのファンは怒りますかね?

生駒:今までそういうシーンを見せたことがなくて、逆にそれを見たら生駒ちゃんにもっと惚れてくれるんじゃないかなと思います。ぜひ見に来てほしいですね。

ーー矢部さんのファンもドキドキしますよね。

矢部:いやもう僕は生駒さんのファンが怖いので、そのためにも殺陣を練習しておかないと(笑)

生駒:私のファンの方は、自分が出た舞台の共演者の方々のことを、みんな好きになっちゃうんですよ。私が行っていないのに、他の共演者の方の舞台に行ったり、その舞台のグッズを持って私の握手会に来てくれたり。充実しているし、優しいから大丈夫です(笑)

ーー最後に、15日からはじまる舞台に向けて、メッセージをお願いします。

生駒:今は絶賛稽古中で、みんなで協力し合いながら、切磋琢磨しながらヨナを作っています。絶対に素晴らしい時間になると思うので、劇場でお待ちしております!

矢部:それぞれのキャラクターのファンの方もいらっしゃると思うので、漫画の世界がそのまま飛び出してきたかのような表現が出れば良いなと思います。稽古がスタートしたばかりですが、みんなで和気藹々とやっていますので、その関係性も舞台上で出たら良いなと思います。楽しみにしていてください。