玉山 拓郎
11月10日(土)よりCALM&PUNK Galleryにて、これまで東京、愛知などを中心に数々の個展や展覧会を開催し、NIKE AIR MAX 270やZUCCAの30周年企画などでも作品提供してきたアーティスト・玉山 拓郎による個展<Dirty Palace>が開催される。 玉山が創り上げる鮮やかに彩られた壁や照明、椅子やキャビネットなどの日常的な事物の数々は、構成的かつ夢想的な色調のコンポジションを展示空間につくりだしたインスタレーションとして発表されている。 本展では、近年作家が作り続けている映像作品をも空間の一部に化してしまう程の非日常的な空間出現。それらすべてが一つの作品として発表される。 また、会期後には本展を写真とグラフィックで追体験できる書籍の制作が予定されている。

ステイトメント 「Dirty Palace」

玉山拓郎がつくる空間は、失われたイメージを急速に探し出すメタ検索エンジンのように、そして未分化なイメージをゆっくりと浮かび上がらせる揺りかごのように現れてくる。その混成のスピードは、事物を客観視することを忘れさせる、にもかかわらず、われわれの生活を遠くから俯瞰する別次元の存在者をも想起させるのだ。 こうした空間では、グリッド状の時空間が、やわらかくねじれているような感覚におそわれる。それは、テレビ画面で放送の間に一定の信号を発するカラーバー映像、あるいは立方体のかたまりの間で反復し回転し続けるルービックキューブが、それらの規則的なイメージの重なりそのものに、モアレを生じさせているような次元のねじれである。どこか懐かしく、どこか疎ましい......。こうした対義語の間にも入り込んでくるのだから、そのやわらかいねじれは実は鋭利な切断面である のかもしれない。玉山がつくる、清潔感あふれるCleanな 、既製品の家具たちがならぶHouseは、光と影の向こう側にあるDirtyなPalaceに鏡映しになるのだろうか。作品は一点のみ。空間である。Clean HouseとDirty Palaceの界面に入り込んでいく、そんな体験をしてみたい。

中尾拓哉(美術評論家)

玉山 拓郎 / Takuro Tamayama

1990年岐阜県出身、東京都在住。鮮やかに彩られた壁や照明、椅子やキャビネットといった日常的な事物の数々によって、構成的かつ夢想的な色調のコンポジションを展示空間につくりだしたインスタレーションを発表している。近年では、映像作品をインスタレーションに加えることで、入れ子状となった構成的抽象空間の創出を試みている。愛知県立芸術大学を経て、2015年に東京藝術大学大学院を修了。

EVENT INFORMATION

玉川拓郎「Dirty Palace」

玉山 拓郎 2018.11.10(土)〜11.27(火) 開廊時間:11.10(土)〜24(土)12:00〜19:00 11.26(月)、27(火)14:00〜21:00 CALM & PUNK Gallery(東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル 1階) 入場:無料 詳細はこちら

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