幸先よく先制するも、その後8分間で3失点を喫する悪夢

 鹿島アントラーズは24日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝・水原三星との第2戦に臨んだ。後半に8分間で3失点を喫する展開となりながらもMFセルジーニョの劇的なゴールで3-3、合計スコア6-5でクラブ史上初の決勝進出を決めた。

 本拠地カシマスタジアムで行われた第1戦は、元日本代表DF内田篤人の試合終盤の劇的な決勝ゴールで3-2と先勝した。勝ちか引き分けでクラブ史上初の決勝進出を決められる一方で、水原にアウェーゴール2つを許していることもあり、綿密な試合運びを求められる一戦となった。負傷離脱中の内田、U-19アジア選手権に出場中のMF安部裕葵を欠くなかで、鹿島は右サイドMFに安西幸輝を起用する形でキックオフの笛を聞いた。

 試合序盤は水原がボールを握る展開だったが、試合を先に動かしたのは鹿島だった。前半24分、左サイド約35メートルの位置で得た直接FK。キッカーのセルジーニョが蹴ったボールはゴール前に走り込んだ元日本代表DF山本脩斗が頭で合わせる。空中戦に特長を持つベテランSBの一撃で、1-0と先制に成功し、そのまま前半を終えた。

 しかし後半に入ると、鹿島に悪夢が待ち受けていた。7分、水原は右サイドのクロスからがMFヨム・ギフン頭で合わせる。これをGKクォン・スンテがスーパーセーブで逃れたものの、こぼれ球をMFイム・サンヒョプがプッシュし、1-1の同点とされた。悪い流れは止まらず、1分後に左CKを与えると、DFチョ・ソンジンのヘディングシュートで1-2。この時点でアウェーゴールの差でリードを許す展開となった。

 後半12分に再びチョ・ソンジンのヘディングシュートで許した決定機はクォン・スンテのセーブで難を逃れたが、完全に防戦一方に。そして後半15分、左サイドをFWデヤン・ダムヤノビッチに抜け出されて追加点を奪われ1-3。わずか8分間で3失点という、らしからぬ試合運びで劣勢に立たされた。


後半36分、セルジーニョがACL4戦連続ゴールで2戦合計スコアで上回る

 しかしこの逆境で燃えてこそ鹿島。後半19分、左サイドからのクロスをMFセルジーニョがすらしたところ、ファーサイドにポジショニングしたDF西大伍が巧みなトラップから渾身のボレーシュート。これが相手GKのセーブを打ち破りゴール左隅を揺らして2-3。合計スコア5-5、アウェーゴールでも水原と並ぶ状況となった。

 一進一退の状況で勝負を決めたのは、頼れるブラジル人助っ人だった。後半36分、右サイドからのスローインからゴール前にいたセルジーニョが右足を一閃。これが相手GKのニア上を打ち破る。ジーコTDが肝入りで加入を薦めた男のACL4試合連続ゴールで、大きすぎる3点目を奪った。

 これで水原は勝ち抜けにアウェーゴールから2点が必要な状況に。鹿島は巧みに時間を使い相手の心をへし折った。決勝の相手はペルセポリス(イラン)。昨年の浦和レッズに続くJリーグ勢2年連続、そしてクラブ悲願のアジア王者にあと一歩だ。


Football ZONE web編集部)

鹿島アントラーズ、クラブ初のACL決勝進出!【写真:Getty Images】