『2018年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が25日(木)に行われ、今夏全国の野球ファンを沸かせた超高校級の4人の去就が決まった。

今回、最も注目を集めたのは根尾昴内野手大阪桐蔭高校)、藤原恭大外野手(同)、吉田輝星投手(金足農業高校)、小園海斗内野手(報徳学園高校)の4人。中でも注目度No.1で東京ヤクルトスワローズ読売ジャイアンツ北海道日本ハムファイターズら4球団が競合した根尾選手は、中日ドラゴンズが射止めた。

同じく福岡ソフトバンクホークス横浜DeNAベイスターズオリックス・バファローズら4球団が指名した小園海斗内野手は、広島東洋カープが交渉権を獲得。阪神タイガース東北楽天ゴールデンイーグルスら3球団から指名があった藤原恭大外野手は、千葉ロッテマリーンズが交渉権を得た。1巡目では指名されなかったものの、2巡目に名前を呼ばれた吉田輝星投手は、北海道日本ハムファイターズが単独指名となり、交渉権を獲得している。

今年のドラフト会議は、12球団中11球団が高校生を1巡目で指名。やはり夏の甲子園を沸かせたスーパースターたちに、各球団も注目したようだ。高校生以外では日本体育大学の松本航投手が指名されたが、単独となったため、すんなりと埼玉西武ライオンズが交渉権を獲得した。

最初の抽選となったのは藤原恭大選手で、イーグルスタイガースマリーンズの3球団が指名。3人目のマリーンズ井口資仁監督は交渉権を獲得できた瞬間、右手のこぶしを挙げて、「うぉぉー!」と雄たけびを上げた。

その後も「(最後のくじに)福がありましたね」と落ち着いた話しぶりながら、興奮を隠しきれない様子の井口監督。最初から「藤原で行く!」と公言していただけに、その“有言実行”を果たし、ホッとした様子だった。長打を打てる打者が欲しかった同チームにとって、最高の選手を獲得したことになり、来季以降のマリーンズに注目が集まりそうだ。

一番人気の根尾選手のくじを引き当てたドラゴンズの新監督・与田剛氏は、「下から2番目の紙を選んだ。自信はあった」とその強運に満面の笑みを浮かべた。二刀流について聞かれると、「本人の意思を尊重したい。スーパースターのような選手なので、野球界を背負って、活躍してほしい」と期待を寄せている。

そのドラゴンズの指名が決まった根尾選手は、緊張した面持ちながら、行き先が決まって落ち着いた様子。「どの球団さんに選んでいただけるか分からなかったが、ドラゴンズさんに行くことが決まったのでホッとしている」と、その緊張から解き放たれて笑みを浮かべた。「(中部地区の同じ岐阜県出身だけあって)小さい時からテレビを点ければドラゴンズの試合をやってて馴染みのあるチーム」「このご縁を大切にしたい」とはやくも入団への気持ちを表していた。

高校No.1ショートの小園内野手を射止めた広島の緒方孝市監督は、「(松田元)オーナーから絶対引いてこい!と言われていた」と吐露。その役目を果たせて「嬉しさよりもホッとしたのが一番です」と、プレッシャーからの解放に笑みを浮かべていた。「3拍子揃った選手、うち(の野球)にピッタリの選手。将来の主力選手として期待している」と話している。

その小園内野手は「(小さい頃から)ずっとドラフト1位が目標だったので嬉しい」と破顔一笑。4球団が競合したことを聞かれると、「意識しなかったが嬉しく思う。その期待に応えられるように練習を頑張りたい」とプロ入りへの嬉しさを隠さなかった。

吉田輝星投手を単独で交渉権を獲得したのは、北海道日本ハムファイターズ。チームへの気持ちを聞かれた吉田投手は「日本ハムさんに入ることが決まって凄く嬉しい」とまず、指名がはいったことにホッとした様子。「(大谷翔平田中将大投手など)ドラフト1位の先輩たちが活躍しているので、自分も同じように活躍したい」と世界に羽ばたいた先輩投手を育てたファイターズへの入団について、その喜びを隠さなかった。

今夏、甲子園を一番沸かせた吉田投手。150キロを超える速球が持ち味の同投手は、「自分の持ち味はストレート。球界を代表する選手になって、日の丸を背負って頑張りたい」と、早くも世界でも活躍したい胸のうちを吐露した。

この数年でも一番熱気に包まれたといっていい、2018年のドラフト会議。昨年のドラフトの目玉選手だった清宮幸太郎は、すでに今季、プロの世界で結果を残している。今年選ばれた選手がどれほどの活躍をするのか……。来年のペナントレースが早くも楽しみだ。

【各球団1位交渉権獲得選手】

セ・リーグ
広島東洋カープ 小園海斗内野手)報徳学園高
東京ヤクルトスワローズ 清水昇(投手)國學院大
読売ジャイアンツ 髙橋優貴(投手)八戸学院大
横浜DeNAベイスターズ 上茶谷大河(投手)東洋大学
中日ドラゴンズ 根尾昴(内野手大阪桐蔭
阪神タイガース 近本光司外野手大阪ガス

パ・リーグ
埼玉西武ライオンズ 松本航(投手)日本体育大
福岡ソフトバンクホークス 甲斐野央(投手)東洋大
北海道日本ハムファイターズ 吉田輝星(投手)金足農業
オリックス・バファローズ 太田椋(投手)天理高 
千葉ロッテマリーンズ 藤原恭大内野手大阪桐蔭
東北楽天ゴールデンイーグルス 辰己涼介外野手立命館

『2018年 プロ野球 ドラフト会議』が10月25日(木)に開催された