準々決勝インドネシア戦、後半25分にラストパスで宮代のゴールを演出

 U-19日本代表のFW久保建英横浜F・マリノス)は、28日のU-19アジア選手権準々決勝の開催国インドネシア戦でフル出場。チームの2点目をアシストする活躍を見せ、2-0の勝利と来年のU-20ワールドカップ(W杯)ポーランド大会への出場権獲得に貢献した。試合後に「今日は結果が全てだった」と振り返った。

 久保の言葉が示す通り、来年の世界大会へアジアに与えられる出場枠は4チーム。この準々決勝に勝利するかどうかが天国と地獄の一戦だった。前半は久保が「正直、みんな結構足が重く、相手に引かれてスペースがなくていつもと違う戦い方をしなくてはいけなかった。それでも、東選手がスーパーなゴールを決めてくれた」と振り返ったように、残り5分でDF東俊希が約30メートルの弾丸ロングシュートを決め、主導権を握りながら攻めきれない展開をリードで終えた。

 後半はどしゃ降りの雨に見舞われる中でインドネシアの猛攻を受け、久保が相手のミドルシュートをスライディングでブロックするシーンもあった。それでもスペインの名門バルセロナの下部組織で育った経験を持つ久保は、「後半はつないでくる相手にカウンターでやろうという形でチャンスを作れた」と、冷静だった。同20分にはFW田川享介(サガン鳥栖)を投入したタイミングで右サイドハーフにポジションを移し、マイボールをキープできる場所としてチームに安定感をもたらす存在になった。

 そして後半25分に、右サイドのペナルティーエリア内で久保がキープすると、相手2人の間を通す短いラストパス。そこに走り込んだFW宮代大聖(川崎フロンターレ)が蹴り込んで貴重な追加点。冷静に味方をアシストして勝利に導き、「もっと早く2点目を決められれば良かったけど、今日は結果が全てだったので勝利できて良かったと思います」という言葉を残した。


U-17W杯に続いて世界の舞台に立つ権利を獲得

 久保を含めU-17W杯に出場経験を持つ選手たちが多く集まり、DF橋岡大樹(浦和レッズ)やMF安部裕葵(鹿島アントラーズ)、MF郷家友太(ヴィッセル神戸)といったJ1クラブで出場機会を重ねるタレントも揃う集団は、これで世界に踏み出す権利を得た。

 その出場権獲得に、久保は「素直に嬉しいです」と話す。まずはこの大会の準決勝以降でアジアの頂点を目指し、その先には前回大会で日本代表MF堂安律フローニンゲン)が羽ばたいたように欧州クラブも注目する世界との戦いが待っている。2015年に帰国してプレーを続けてきた久保にとっては、その成長を示す大きなチャンスとなるはずだ。


Football ZONE web編集部)

U-19日本代表FW久保建英【写真:ⒸAFC】