中国メディア・新華網は28日、「日本の下水処理場が、排水からリサイクル可能な資源を絞り尽くしている」とする記事を掲載した。記者は、神戸市にある東灘下水処理場を視察して、資源リサイクルへの取り組みに大いに感銘を覚えたようだ。

 記事は、「下水処理場は通常、処理済みの汚水を排出し、残った汚泥を焼却して埋め立てるだけだ。しかし、神戸市にある汚水処理工場では、大量の天然ガスに加え、汚泥からリンも取り出している。ごみの中から十分に資源を絞り取り、『自産自販』を実現しているのだ」とした。

 そのうえで、同処理場では高さ30メートル、容積1万立方メートルの楕円形大型タンク3個を備え、この中で汚水から沈殿させた汚泥と間伐材、食品工場の廃棄物などのバイオ材料を加えて発酵させ、出てきた気体を処理して最終的に純度98%のメタンガスを産出していると紹介。この純度は天然ガスに匹敵する水準であることを伝えた。

 また、専用のエレベーターに乗って10階ほどの高さのタンク頂部へと上ると、タンク内部で液体から気泡がボコボコと出ているのが見えると説明するとともに「地上からも、タンクのうえからも、全く悪臭がしなかった」としている。

 そして、同市担当者の話として、同市内の下水処理場から産出された天然ガスは半分が発電に用いられ、残りは汚水処理場自身での利用、都市ガスや天然ガス自動車の燃料として用いられると紹介。さらに、発酵後の汚泥からはリンが取れ、年間55万トンある輸入量の10%をリサイクル可能で、昨年同市では再生リンを用いた肥料3600トンを販売したことを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

天然ガスにリン・・・汚水から十分に「資源」を絞り取れる、日本の汚水処理=中国メディア