今と昔で同じ言葉なのに、意味が全然違うという日本語って結構ありますよね。 例えば「うつくし」という言葉。今では「美しい」という意味になるのに対し、昔は「かわいらしさ」を表す意味でした。中学生時代に、国語の授業で習った読者も多いのでは?

そんな、今と昔では意味の異なる言葉の一つに「ブス」という言葉があります。

「ブス」という言葉はもともとどんな意味?

ブスといえば、現在はおもに女性に対して使う言葉で、一般に「容姿がおとること」。みにくい顔などを指して使われています。ところが、昔は「無表情」という意味で使われていました。

もともと「ブス」は、漢字で「附子」と書き、トリカブトの塊根を意味しています。漢方では、トリカブトの根を「付子(ぶし)」や「烏頭(うず)」と呼び、鎮痛・強心剤として用いています。

トリカブトはもともと猛毒となるアルカロイドが含まれているため、少量なら神経を緩和させる効能がありますが、誤って口に含んだり、量を間違えるとと神経が麻痺してしまい、無表情になったり、最悪死に至ることもあります。このことから「無表情」を「附子」というようになったそうです。

狂言にも「附子」という演目があり、この話にもトリカブトが出てきます。

なお、似たような意味を表す言葉に「不細工」という言葉があります。これは、もともと出来の悪い工芸品を指す言葉として生まれた言葉が転じて、物事全般において出来が悪いものやことを指すようになりました。

さて、上述のように、無表情を指す言葉から、容姿が醜いものを指す言葉に変化してきた「ブス」という言葉ですが、近年では「ブス可愛い(ブスだけど可愛い)」など、肯定的な意味で使われる場面も増えてきているようです。

同じ言葉でも、それが使われる時代背景や社会によって、意味合いや使われ方が変わってくる・・・言葉って、とても奥が深いですよね。

そんな「ブス」ですが、今度はどんな意味合いに変化していくのでしょうか。今後の日本語のトレンドから、目が離せません!

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