職場から帰宅して、料理をする気力も体力もない…そんなときに身近な食材を使ってちゃっちゃと手軽に作れて、しかも美味しい! そんな男子が喜ぶレシピを、料理研究家・奥田ここさんに教えてもらいました。

「フリコ」をご存知でしょうか? イタリア北部のフリウリ=ヴェネツィアジュリア州で発祥したと言われる、じゃがいもとチーズで作る、おやきのような料理。シンプルな材料と作り方からは想像できないほど美味しくできる、まさに「すぐできる男子つまみ」の主役を張れる一品です。

 作り方は極めて簡単。じゃがいもをチーズおろしで細長くおろすか包丁で細切りにし、塩少々とパルミジャーノ・レジャーノを混ぜて、フライパンにバターを溶かしてこんがり焼くだけ。作っている間から鼻に届くじゃがいもの焼ける香りは、晩酌開始の合図です。

 ちなみに、じゃがいもとチーズを使う作り方のほか、近隣の国や地方ではチーズと少しの小麦粉で作るケースなどもあるようです。

イタリア風じゃがいものおやき「フリコ」のレシピ

材料(作りやすい量)

・じゃがいも(中)……2個
・パルミジャーノレッジャーノ(すりおろし)……大さじ3~4
・バター……15g
・塩……ひとつまみ
・胡椒……適量
目玉焼き……1個(お好みで)

作り方

1.じゃがいもの皮をむき、チーズおろしを使っておろすか、包丁で細切りにしてボウルに入れる

チーズおろしを使ったほうがじゃがいもの断面が粗くなるので◎
チーズおろしを使ったほうがじゃがいもの断面が粗くなるので◎

2.じゃがいもの余分な水分を搾り、塩とすりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを混ぜる

3.フライパンまたは平たい鍋にバターを溶かし、2.を丸く平たく形を調えながら入れる

4.弱火と中火の間ぐらいの火加減で両面をこんがり焼いて、仕上げに胡椒とパルミジャーノ・レッジャーノをかけたら出来上がり。お好みで目玉焼きを添えて、一緒にいただくのもおすすめです。

 じゃがいもはチーズおろしを使って細長くおろす方がよりおすすめです。包丁で切るより断面が粗くなり、余分な水分を切りやすくなるうえ、混ぜ合わせるチーズとの絡みもよくなります。

 また、アレンジとして刻んだ玉ねぎの甘みを足しても美味しくできるほか、今回のようにトッピングとして半熟に焼いた目玉焼きを添え、黄身とからめながらいただくフリコも格別です。ぜひお試しくださいね。

●著者プロフィール

奥田ここ

築地市場を「師」とあおぎ、旬の食材を中心にした和食及びイタリア料理の料理教室を主宰するほか、外国の方の参加や築地市場内での料理教室など、国内・海外で様々なスタイルの教室を開催。各種媒体・広告へのレシピ提供や、食材産地の取材、食に関するさまざまな話題の企画・執筆に加え、個別の要望に応じた出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切にし、無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
https://www.instagram.com/kokookuda/

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