車で喫煙

(Matthias Lindner/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)

兵庫県の受動喫煙禁止条例を見直している有識者委員会が、「家の中」や「自家用車内」などの私的空間であっても、子供がいれば全面禁煙を義務付けるよう、近く県に提言する意向であることを、読売新聞が報じた。

家の中は罰則対象から外されるものの、自家用車での違反には罰則が科されるという内容に、様々な意見が寄せられている。

■私的空間への規制は全国初

報道によると、2013年施行の兵庫県の受動喫煙防止条例は、神奈川県に次いで全国で2番目の罰則付き条例として、公共施設での全面禁煙や面積100平方メートル超の飲食店などでの分煙を義務付けていたが、私的空間への規制はなかった。

現在報道されている、兵庫県の受動喫煙防止条例が見直される主なポイントは…

・子供がいる家や自家用車など私的空間での禁煙を義務化。自家用車での違反には罰則を科す

・公園を全面禁煙とし、違反には罰則を科す

・喫煙が可能な飲食店に子供を同伴することを禁止し、違反には罰則を科す

となっている。

■5年後からの見直しを規定

この条例は、社会情勢の変化に合わせ5年後に見直すよう規定されており、県の要請で昨年7月から県立尼崎総合医療センターの名誉院長をトップとする14名の有識者委員が条例の見直しを進めている。

委員は医療、飲食、宿泊、NPOなどの各業界関係者などで構成されており、11月にも提言がまとめられる見通しだという。

■行政の介入もやむなし?

私的空間にも規制が敷かれる厳しい見直し内容に、『Yahoo!ニュース』には、様々な意見が寄せられている。

・条例より、それが常識だろうと思う

・個人的には罰則ではなく親が子供の為に自発的に考えてやるべきやと思うんやけどねぇ

・普通によく見かけます。子供が同乗しているのに、窓も開けずに普通にタバコ吸ってる親。なんとも思わないんでしょうね

・私的空間まで口を挟むべきではない、っていう人いるけど子供は大人から逃げようがないんだから政府や行政が介入するのもやむなしだろう

厳しい内容に、非喫煙者からも「そこまで?」との声があがっている一方、子供の傍で喫煙してしまう親が実在する現状を受けて「行政の介入もやむを得ないのでは」といった声が目立つ。

■子供の前での喫煙は「虐待」と感じる人も

しらべぇ編集部が全国の20~60代の男女1,477名を対象に「親が子供の前で喫煙すること」について調査を実施したところ、全体で48.1%の人が「一種の虐待だと感じる」と回答している。

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幼児期の受動喫煙は、肺がんのリスクが高まるとされていることや、子供に限らず喘息などの持病を持つ人にとっては、命を落とす危険もある重篤な発作を引き起こす原因にもなりかねない。そういった健康被害への懸念から、「虐待」とまで感じてしまう人は少なくないよう。

私的空間への規制が敷かれることに、今後も様々な部分で意見の対立がありそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・あまぐりけいこ

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