アジア・アフリカNGO・研究者は、貿易管理やATTに関する知識や経験が豊富な「南」のNGO・研究者が、武器貿易条約(ATT)締約国会議(CSP)プロセスに参加できるようにすることを求めています。

ATTのCSPプロセスにおいては、自費による会議参加が困難な途上国の政府関係者やNGO、研究者が会議に参加するための旅費などを提供する公式のスポンサーシップ・プログラムがあります。アジア・アフリカNGO・研究者は、CSPの公式スポンサーシップの拡充と選考過程の公平・透明化を求めて、2018年10月にATT事務局や日本などの各国政府に『共同書簡』を送付しました。

ところが、ATT事務局からは、「CSP5より、公式スポンサーシップの対象から、NGOを除外することを提案する」という、思いがけない回答が寄せられました。

公式スポンサーシップ・プログラムの対象からNGOを除外することは、「南」の専門性あるアクターを会議プロセスから排除することを意味します。そしてこれは、ATTの普遍化や実施に深刻な悪影響を与えてしまいます。
CSP4の議長を務めた日本は、ATT締約国会議プロセスに巨額の資金を投入している最大のドナー国でもあります。日本政府には、このプロセスが多様なアクターの参加のもとで健全に運営されるようにする責任と、問題の改善に貢献しうる発言力や影響力があります。

11月1日(木)に、テラ・ルネッサンスは、外務省通常兵器室との会合を設け、公式スポンサーシッププログラムの対象からNGOを排除せず、かつ、その対象を公正かつ透明性をもって選出すべきだと訴え、日本政府がATT事務局および関係各国に働きかけるよう要望しました。

引き続き、テラ・ルネッサンスは、公式スポンサーシップを通じて専門性ある「南」のNGO・研究者が参加できるよう、アジア・アフリカNGOと連携しながら、改善を求めていきます。


◆テラ・ルネッサンスとアジア・アフリカNGOが日本政府に宛てた共同書簡(英文)は、以下URLをご覧ください◆

河野太郎外務大臣宛
https://www.terra-r.jp/news/press-release/attjointletterjapanaminister.html
高見澤將林軍縮大使宛
https://www.terra-r.jp/news/press-release/attjointletterjapanambassador.html

※ATT事務局および他国宛ての書簡は、それぞれ別途送付されています


◆スポンサーシップ・プログラムの問題は、既に複数の日本メディアにより報道されています。これまでの報道は、以下URLでご覧いただけます◆

https://www.terra-r.jp/user/media/pdf/news/20180908komei.pdf
https://www.terra-r.jp/user/media/pdf/news/20180926kyoto.pdf


◆スポンサーシップ・プログラムの問題について、当会ポリシー・アドバイザーの榎本が執筆した解説が、岩波書店の『世界』11月号に掲載されています。現在、書店等にて発売中です。◆

https://www.iwanami.co.jp/book/b378103.html


◆お問い合わせ先:以下アドレスまで、メールにてご連絡ください。◆

認定NPO法人テラ・ルネッサンス(担当:鬼丸)
onimaru@@@terra-r.jp (@を1つにして送信ください)


■ 認定NPO法人テラ・ルネッサンス
「すべての生命が安心して生活できる社会(=世界平和)の実現」を目的に2001年10月に京都で設立した国際協力NPOです。地雷・小型武器・子ども兵という3つの課題に対して、カンボジアでの地雷撤去支援や、ウガンダコンゴ民主共和国での元子ども兵社会復帰支援プロジェクトなどを展開しています。同時に国内での啓発、提言活動を行うことによって、問題解決を目指しています。また東日本大震災に対する復興支援活動も行っています。
http://www.terra-r.jp

配信元企業:認定NPO法人テラ・ルネッサンス

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