罪名 傷害

被告人 42才飲食店従業員の男性

 

事件は今年の9月6日午前4時~8時。

 

被告人は自宅マンションの部屋で、被害女性(29)を背後から突き飛ばして馬乗りになり、首を掴んで障子戸に頭をぶつけ、複数回平手で顔面を殴って全治1ヶ月のケガを負わせたという内容。

 

検察官の冒頭陳述によると、被告人は高校卒業後に音楽活動をし、その後飲食店で従業員として働いているとのこと。 

 

職歴に関して詳細は語られなかったものの、某アニメシリーズエンディングテーマを担当したり、某有名バンドの前座を務めたこともあったりと、輝かしい過去の持ち主なんだけど、この初公判はもちろん事件も報じられてないのは“アノ人は今”的な立場なのかもしれませんね。

 

で、冒頭陳述の続き。被告人と被害女性は、今年の3月に交際をスタート

被告人は被害女性に対し、男性と食事に行くこと短いスカートを穿くことを禁止していたらしい。

 

そして犯行前日。

 

被害女性は、友人3人と誕生日を祝ってもらう食事会に参加。

酒を飲んで帰宅し、ソファーで寝ていたという。

 

そこに仕事を終えた被告人が帰宅。

誰と飲食していたのかを問い詰め、犯行に及んだと。

 

犯行後、被害女性は「病院に連れて行ってほしい」と被告人に頼んだが、応じなかったというのが事件の流れです。

 

被害女性は取り調べに対し

 

被害者

3月から交際を始め、『男とベタベタするな』とか『夜遊びに出かけるな』などといろんな禁止事項を決められた。5月頃からは、暴力を受けるようになった

 

と、被告人が束縛そしてDV男だったと供述。

 

さらに

 

被害者

犯行前日は昔からの友人3人が誕生日を祝ってくれた。

酔って帰宅し、ソファーで眠っていると、被告人に『誰と飲んでたんだ、早く言え』と起こされ、友人3人の中に元交際相手がいることを知ると怒り出した

 

と述べてるようです。

 

きっかけは彼女が元カレと飲食したからってことみたいですね。

 

そして、被告人質問。まずは弁護人から。

 

弁護人

被害女性と知り合ったのは?

 

被告人

5年位前です。

 

弁護人

今年の3月からお付き合いしてたって話だけど、どれ位会ってたの?

 

被告人

週に2~3回ウチに来る半同棲です。

 

弁護人

いろいろ禁止してることがあったようですけど、結婚の話は?

 

被告人

はい。お酒を飲みに行って、男の人と連絡先を交換したりしてて、もう少し誠実になって欲しいなと。

最初はガマンしてたんですが、段々言うようになってました。

 

付き合って半年だけど、結婚も視野に入れた2人だったんですね。

 

弁護人

では事件当日のことを訊きますね。

午前4時にマンションに帰ってきたと。どういう状況でした?

 

被告人

階段に化粧品が落ちていて、ドアのカギが開いていて、何かトラブルかなと。

 

弁護人

入ると?

 

被告人

玄関には彼女の財布が落ちていました。真っ暗で靴を脱ぎながら中に入ると、ソファーで寝ていました。

 

弁護人

その姿を見てどう思いました?

 

被告人

飲みに行くと酔っ払うので、またこうなったかと立腹しました。

 

裁判官

ちなみにあなたは酔ってた?

 

被告人

いえ、飲んでません。

 

被告人はシラフでの犯行だったんですね。

被害女性は荷物をポロポロ落としながらソファーで深い眠りに落ちてたと。

 

弁護人

被害女性を起こしてから平手打ちをしたのは何故ですか?

 

被告人

元カレと飲んでたのが分かったので。

 

弁護人

その後引きずって首を絞めたのは?

 

被告人

隣の部屋に連れて行こうと引っ張って、大声を出してたので口をふさぐためにアゴの辺りをおさえたので、首を絞めたと思われたのかなと。

 

 

お互い興奮状態で細かくは覚えてない感じでしょう。

 

弁護人

ケガを見て治療しました?

 

被告人

アイスノンを首に当てました。

 

弁護人

病院に連れて行かなかったのは何故?

 

 

被告人

12時から仕事があったのもあるんですけど、この関係が続くとエスカレートするなぁと思ってです。

 

答えになってるような、なってないような。

あそこは、後で検察官につつかれるんだけど。

 

弁護人

保釈金はどうやって集めたの?

 

被告人

仲間が…。

 

弁護人

バンド仲間?

 

被告人

そうです。

 

弁護人

みんな、貧乏なんでしょ(笑)

 

被告人

ま、はい…。

 

失礼な言い草でしょ。

 

 

被告人は現役でバンドをやってて、本件のせいでライブが中止になってるんです。

ちなみに公式ツイッターには謝罪が掲載されてます。

 

弁護人

職場の飲食店はどうなりました?

 

被告人

落ちつくまで自粛だと。

 

弁護人

バンドには保証金を用意してもらって、勤務先は休み、ライブはすっぽかしでお客にも迷惑。事態分かってる?

 

被告人

彼女だけじゃなく多くの人に迷惑をかけたと理解してます。

 

弁護人

ネットであなたの名前を検索すると沢山出てくるしさ、こんなことしてる場合じゃないですよ。で、どう?才能あるの?

 

どんな質問なのよ。本人も答えにくそうに

 

 

YESっぽい返事。

要するに、今後は音楽活動に本腰入れると約束です。

 

次は、検察官からの質問。

 

検察官

手じゃなく、口で言えばいいでしょ。

 

被告人

今はそう思ってます。

 

検察官

調書には“原因は彼女が作ってる”って書いてあるけど、どういう意味?

 

被告人

一緒に何人かで食事に行くと、男性とベタベタするんですね。相手のヒザの上に乗ったり、抱きついたり。それはやめてくれないか、と。

 

なかなかの彼女ですね。彼の目の前でそこまでやるとは。

 

検察官

で、病院に連れてってとお願いされたのに行かなかった理由、もう一度いいですか?

 

被告人

元カレの連絡先を消してくれと言いましたが、親友だから消せないと。それでは納得できない、連れて行かないと。

 

 

さっきの弁護人の質問とは違う答え。

全治1ヶ月だから結構な傷だと思うんだけど、その状況でもケンカしてたってことなんですね。

 

検察官

本件じゃなく、今までの彼女にもいろいろ要望出してたんですか?

 

被告人

いや。夜は遅くなるなってくらいですよ。

 

相手は子供なのか?

とにかく支配したい人なのかもしれませんね。

 

最後は裁判官から。

 

裁判官

今回、なにが一番の問題だと思います?

 

被告人

僕のなかでずっとガマンしてたことと、音楽と飲食店の仕事で気が張っていたのもあります。

そんななかで彼女に対しての、“なぜ”という部分をストレートにぶつけたのが問題だと思います。自己中心的でした。

 

裁判官

なぜそうなったと思いますか?

 

被告人

僕が弱かったんだと思います。

 

 

と、自らの弱さを告白して質問終了。

 

この後、検察官が懲役1年を求刑して閉廷でした。

 

 

 

──もしこの裁判がフィクションだったとして。

私は被告人の言葉に対して―――

 

 

 

恋愛ソングに共感してたファンなら落胆してただろうなぁ。

ま、10/25に実際に行われた裁判なのだが。

 

 

 

阿曽山大噴火の裁判妙ちきりん 第15回 ~バンドマンの嫉妬と仲間と音楽の才能~