▽先週末に行われた第11節ではバルセロナとエスパニョールのカタルーニャ勢が揃って勝利し、カタルーニャ勢が首位と2位を独占。一方、アトレティコ・マドリーセビージャ、アラベスといった上位チームは取りこぼし首位との勝ち点差が広がっている。また、ベティスのMF乾貴士、ヘタフェのMF柴崎岳は引き続き出場機会なしと苦境が続く。

▽今年最後となる11月の代表ウィーク前最後となる今節ではカタルーニャvsアンダルシアの2つのビッグマッチに注目だ。

▽前節、格下ラージョにあわや敗戦という絶体絶命の危機を強いられたバルセロナ(勝ち点24)だが、試合終盤にMFデンベレ、FWスアレスの連続ゴールによって劇的な3-2の勝利を収めた。ミッドウィークチャンピオンズリーグ(CL)ではインテル相手にFWマウコムの移籍後初ゴールで先手を奪うも、FWイカルディの恩返し弾を浴びてCLグループ4連勝はならず。それでも、全グループを通じて決勝トーナメント進出一番乗りを決めている。難敵をホームで迎え撃つ今節に向けてはMFコウチーニョをケガで欠くため、直近の2試合でアピールしたデンベレ、マウコムの若手コンビと共に、インテル戦で負傷離脱以降、初めて遠征メンバー入りしたエースFWメッシらのプレーに注目が集まる。

▽対する14位ベティス(勝ち点13)は直近のリーガで3敗1分けと不振が続く。前節のセルタ戦では久々の複数得点を奪うも、2点差を引っくり返されて最終的にMFカナレスのゴールで3-3のドローに持ち込むのが精一杯だった。直近のヨーロッパリーグ(EL)では難敵ミラン相手に1-1のドローに持ち込みグループ首位キープに成功したが、バルセロナ相手のアウェイゲームでは苦戦必至だ。なお、直近の公式戦2試合を欠場した乾に関しては引き続きベンチスタートが濃厚だが、エイバル時代の2016-17シーズン最終節にカンプ・ノウで圧巻の2発をぶち込んでいるだけに、セティエン監督が相性を考えて先発に抜擢する可能性もあるはずだ。

バルセロナと乾の存在によって前述のカードに注目が集まる一方、順位表のうえでより重要度が高いのは3位セビージャ(勝ち点20)と2位エスパニョール(勝ち点21)による上位対決だ。ホームでこの一戦を戦うセビージャはコパ・デル・レイ、前節レアル・ソシエダ戦をいずれもゴールレスドローで終えるも、直近のELではアクヒサルを相手に3-2の勝利を収めた。DFセルジ・ゴメスの退場によって2点差を追いつかれる苦しい展開となったが、試合終盤にMFバネガが決めたPK弾で劇的な勝利を収めた。今節はその勢いを生かして攻撃陣の爆発に期待したい。

▽一方、昨季ウエスカをクラブ史上初のプリメーラ昇格に導いたルビ新監督の下、快進撃を続けるエスパニョール。前節のアスレティック・ビルバオ戦ではリーグ2位の堅守と、今季ここまで6ゴールと絶好調のFWボルハ・イグレシアスの決勝点で競り勝つ、今季を象徴する内容で勝ち切った。6戦負けなしで乗り込む難攻不落のサンチェス・ピスファンでのアウェイゲームでもビルバオ戦同様に粘り強い戦いで勝ち点を持ち帰りたいところだ。

▽前述の2チームを僅差で追う4位アトレティコ(勝ち点20)は、降格圏ギリギリの17位に低迷するビルバオ(勝ち点10)とホームゲームを戦う。前節、格下レガネスとのダービーで痛恨のドローとなったアトレティコだが、CLでは前回対戦で0-4の大敗を喫したドルトムント相手に2-0の快勝を収めて見事にリベンジ達成。とりわけ、エースFWグリーズマンに公式戦2試合連続ゴールが生まれていることは朗報だ。その一方で、DFリュカとDFホセ・ヒメネスのドルトムント戦での負傷によって最終ラインは火の車だ。ビルバオ戦に向けてはDFゴディンに復帰の可能性があるものの、それ以外の主力センターバック3人の欠場が決定的となっており、最悪の場合若手DFモンテーロらカンテラーノで2センターバックを組む可能性もある。

▽また、ソラーリ暫定監督の下で復調を見せる6位レアル・マドリー(勝ち点17)は、公式戦4連勝を懸けて11位セルタ(勝ち点14)と対戦する。前節、FWヴィニシウスの初ゴールなどでバジャドリーに2-0の辛勝を収めたチームはミッドウィークのCLビクトリア・プルゼニ戦もFWベンゼマら攻撃陣の爆発で5-0の圧勝。対戦相手に恵まれたとはいえ、公式戦3試合連続クリーンシートは見事だ。スペインの規定でソラーリ監督が暫定指揮官として指揮を執れる最後の試合となるセルタ戦は同監督を正指揮官に任命するか、新指揮官を招へいするかの査定試合となる。

▽そのセルタはパフォーマンスに波がある一方、直近のリーガ2試合で7点を奪い、リーグ3位の20ゴールを記録する破壊力のあるチーム。とりわけ、得点ランキング2位のFWアスパス(8点)、6位タイのFWマキシゴメス(6点)の強力アタッカーコンビは非常にタフな相手。レアル・マドリーにとっては直近の3試合連続クリーンシートが偶然か実力かを見極めるうえで格好の対戦相手になるはずだ。

▽その他の試合では8位ヘタフェ(勝ち点16)と15位バレンシア(勝ち点11)の一戦に注目だ。共にリーグ3位タイの9失点の堅守を誇る一方、得点力に問題を抱えており、渋い試合内容が予想される中、勝ち点3を得るのはどちらになるか。ヘタフェでは出場機会減に苦しむ柴崎、バレンシアでは直近のCLヤング・ボーイズ戦で今季CL初勝利に導く2ゴールを決めたFWサンティ・ミナに注目したい。

リーガエスパニョーラ第12節》

▽11/9(金)
《29:00》
レバンテ vs レアル・ソシエダ

▽11/10(土)
《21:00》
バジャドリー vs エイバル
《24:15》
ヘタフェ vs バレンシア
《26:30》
ラージョ vs ビジャレアル
アトレティコ・マドリー vs ビルバオ
《28:45
ジローナ vs レガネス

▽11/11(日)
《20:00》
アラベス vs ウエスカ
《24:15》
バルセロナ vs ベティス
《26:30》
セビージャ vs エスパニョール
《28:45
セルタ vs レアル・マドリー

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