J1ライセンスを持たない町田が昇格争いの“陰の主役”

 今シーズンのJ2リーグも、残すところあと2節となった。注目のJ1昇格争いは、いまだ昇格チームが一つも決まらないという例年以上に熾烈な争いが繰り広げられているが、今年はこの結果がJ1残留争いの行方にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

J2リーグ第41節(11試合)
11月10日(土)
14:00 横浜FCvs岡山(ニッパツ)
14:00 大分vs金沢(大銀ド)
15:00 京都vs千葉(西京極)
16:00 大宮vs山形(NACK)
11月11日(日)
13:00 東京Vvs讃岐(味スタ
13:00 山口vs甲府(みらスタ)
13:05 福岡vs熊本(レベスタ)
14:00 水戸vs岐阜(Ksスタ)
14:00 栃木vs松本(栃木グ)
14:00 徳島vs新潟(鳴門大塚)
15:00 愛媛vs町田(ニンスタ)

 その主役となるのが、FC町田ゼルビアだ。町田は今季、相馬直樹監督の下で粘り強い戦いぶりを見せ、一時は首位に立つなど上位争いを繰り広げてきた。第38節ファジアーノ岡山戦(0-1)、第39節アルビレックス新潟戦(0-2)での連敗が響き現在は3位だが、2位大分トリニータとは同勝ち点の72、首位の松本山雅FC(勝ち点73)とも勝ち点1差と大健闘している。

 だが町田はJ1ライセンスを持っておらず、自動昇格圏の2位以内でシーズンを終えても昇格できないのだ。10月に大手IT企業のサイバーエージェントに買収されたため、長期的な強化には期待がかかる。その一方で彼らが今季2位以内に入ると、J2自動昇格枠は1位、もしくは2位の1チームのみとなる。

 その影響はJ1にも及び、最下位の18位のみが自動降格、本来16位が挑むはずのJ1・J2入れ替え戦には17位のチームが回ることになり、16位は“命拾い”する形に。また町田が3位~6位に終わった場合は、J1昇格プレーオフが3チームで開催されることになるなど、いずれにせよ、町田の残り2試合の結果がJ1、J2双方の行方に大きな影響を与えることは確実だ。

 そんな複雑な条件となっているJ2だが、自動昇格(2位以内)を巡る争いは1位松本から4位横浜FC(勝ち点70)までの“3チーム”に絞られたと見ていいだろう。3位から6位のプレーオフ出場権争いとなると、横浜FCから7位大宮アルディージャ(勝ち点65)までが争うことになる(松本、大分はすでにプレーオフ圏内決定)。


最終節の町田対東京Vは注目の一戦に…

 上位陣の残り2節の対戦カードは以下の通りだ。

1位:松本(勝ち点73、得失点差19)
第41節vs栃木(アウェー)
第42節vs徳島(ホーム)

2位:大分(勝ち点72、得失点差24)
第41節vs金沢(ホーム)
第42節vs山形(アウェー)

3位:町田(勝ち点72、得失点差16)
第41節vs愛媛(アウェー)
第42節vs東京V(ホーム)

4位:横浜FC(勝ち点70、得失点差17)
第41節vs岡山(ホーム)
第42節vs甲府(アウェー)

5位:東京V(勝ち点67、得失点差14)
第41節vs讃岐(ホーム)
第42節vs町田(アウェー)

6位:福岡(勝ち点66、得失点差15)
第41節vs熊本(ホーム)
第42節vs岐阜(アウェー)

7位:大宮(勝ち点65、得失点差15)
第41節vs山形(ホーム)
第42節vs岡山(アウェー)

 この中で最も注目なのは、最終節の町田vs東京ヴェルディだろう。第41節の結果次第になるが、この一戦は自動昇格を目指すクラブにとっては東京Vが奮闘して勝ち点を獲るのがベターなシナリオとなり得るが、自分たちもしっかり勝利を目指す必要がある。

 また最終節、昇格を目指して戦うチームにあって唯一ホームで戦えるのは松本だ。熱いファンが多いことで知られるクラブにとって、本拠地であるサンプロアルウィンでは今季ここまで12勝5分3敗と高い勝率を誇っている。J2屈指の収容人員を誇る聖地で、歓喜の時を迎えられるか。

 もちろんJ3降格からしぶとく這い上がり、J1復帰を狙う大分トリニータ、2011年のJ1MVPであるMFレアンドロ・ドミンゲスがいまだ健在の横浜FCも、最後まで意地を見せるはずだ。


Football ZONE web編集部)

J2リーグ順位表【表:Football ZONE web】