スパイダーマンアイアンマンを生み出し、アメリカン・コミックスの巨匠としても知られるスタン・リーが、米カリフォルニア州ロサンゼルスの医療センターで亡くなったことが明らかとなった。95歳だった。

 マーベル・コミックの公式Twitterアカウントと公式サイトのほか、複数のメディアや情報筋が報じている。

 スタン・リー氏は1922年に生まれ、1939年マーベル・コミックス(旧タイムリー・コミックス)に入社。第2次世界大戦中に通信部隊でイラストレーターを務めたあと、1961年ファンタスティック・フォーをはじめ、アメコミ作品の人気キャラクターを次々と生み出していく。

 1990年代からはアニメ作品やアメコミ映画の製作指揮も務め、作品自体にもカメオ出演。単なる編集者ではなく、マーベル・コミックひいてはアメコミの顔役とも呼べる存在へとなっていた。

(画像はMarve.comより)

 現在のアメコミ作品に見られる、現代都市を舞台にヒーローたちが日常生活や友好関係に苦悩しながら正義を貫いていくという構造は、当時のスタン・リー氏原作の作品で強く表現されてきたものである。

 それまで異なる世界観で活躍してきたヒーローたちが身近な存在、あるいは社会の写し鏡となってか、氏の手掛けた作品の数々は多くがヒット作となった。以下の作品を一見しただけでも、その偉業がよくわかるのではないだろうか。

スタン・リー氏の手掛けた作品の一部
・『ファンタスティック・フォー』原作
・『ハルク』原作
・『マイティ・ソー』原作
・『アイアンマン』原作
・『ドクター・ストレンジ』原作
・『スパイダーマン』原作
・『X-メン』原作
・『デアデビル』原作
・『キャプテン・アメリカ』原作(※初期作品からのリブート)
・『アベンジャーズ』原作

 カプコンMARVEL VS. CAPCOM』シリーズや、今年発売され高い評価を得たPS4向け『Spider-Man』を筆頭に、多くのアメコミ原作のビデオゲームは、彼がいなければ生まれなかったといっても過言ではない。氏の影響は単純にアメコミに留まるものではなく、映画やアニメやゲーム、ひいては全世界のポップカルチャーに波及したものだった。その偉大さは計り知れない。

文/ishigenn