“ホラー界の巨匠”と呼ばれた、故ジョージ・A・ロメロ行方不明だった作品が見つかり、修復作業が現在行われている。今年7月に他界したロメロは、1968年作「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」などで知られていたが、今回見つかったのは1973年の「ザ・アミューズメント・パーク」という作品だ。

作家のダニエル・クラウスは同作について、こうツイッターで記している。

「(『悪魔の儀式』と『ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖』の合間に撮影された)ジョージ・A・ロメロ1973年作『ザ・アミューズメント・パーク』を見るところだ。20年近くこの作品を探していた。この映画は驚愕だ」
「『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』を除くと、たぶん、『ザ・アミューズメント・パーク』はロメロ作品で最もホラーな作品だ。形態的にも効果という面でもすごく怖い」
「この恐ろしい名作がどこで見れるかって?残念だけど、不可能なんだ。でも、それを覆そうと取り組んでいるところ。手伝えるかって?もちろん、たぶんだけど。ただ、ちょっと確認する時間をくれ。これは本当に魔法(呪い?)のような作品の1本なんだけど、信じられないことに、公開されていなんだ。それを変えるつもりだ。『ザ・アミューズメント・パーク』は(俳優、映画、テレビ番組、テレビ・スターおよびビデオゲームに関する情報のオンラインデータベースの)IMDbロメロのページにも載っていないんだ!とても長い間、行方不明だった。どういうことかって?危険で不快な作品だってことさ」
「皆、興奮してる!こうでなくっちゃ。これこそ、全盛期ロメロだ。太陽の光がさんさんと降り注いだ悪夢。明るくて、うるさくて、発狂して、方向感覚が失われる。(いくつかの情報源が報じているようなドキュメンタリーではないよ)」
「繰り返しになるけど、今すぐは見れない。つまり、修復中なんだ。しばらく時間がかかる。我慢してほしい。今すぐできることがある。フィルムの修復の募金を受け付け中だよ」

また、学者のトニー・ウィリアムズは過去にこの作品を鑑賞していたことがあるという。

クラウスは「トニー・ウィリアムズは30年前にこの作品を鑑賞していて、『この作品はアメリカ社会にとってパワフル過ぎる。封印して日の目を見ることがないままにするべきだ』と記していた」「一般公開はされなかった。関係者が公開を許可しなかったんだろうね。不思議じゃないよ。物凄いんだから」と続けた。

なお、この作品については、ロメロの妻スザンヌ・デスロチャー・ロメロが今年10月、次のように語り、話題を呼んでいた。

1973年に撮影され、ほとんど見られたことがない映画があります。一握りの人間のみがこの作品を鑑賞しています。これを修復し、ロメロ作品のファンに公開するつもりです。恐ろしい映画ですが、ホラー映画ではありません。年齢差別についてです。しかも彼がカメオ出演しており、面白いと思います。この映画を私たちの手で公開するか、配給してもらうつもりです。財団のプロジェクトとして実はこれが最初のプロジェクトになると思います」
「彼がどう撮影したか、どんな物語なのかが明らかとなります。ユニークな発見です。私はこの実現に関して大変嬉しく思います」