今月テストしたギア

アップル
Apple Watch Series 4
実勢価格:4万9464円〜

SPEC
ケースサイズ 40mm 44mm

今回のモデルチェンジによって何が変わり、何が変わっていないのか!

【詳細】他の写真はこちら

スマートウォッチの代名詞として、2015年春の登場以来、急速にシェアを伸ばしてきたアップルウォッチ。今秋登場した『Apple Watch Series 4』は、画面の大型化を筆頭に、数々の新機軸をプラス。現在ではランナーの間でもポピュラーなプロダクトだが、本モデルチェンジでより一層ランナーとの親和性が高まっているのは間違いない。要注目だ!
筆者がアップルウォッチを使いだして3年半が過ぎようとしている。最初はロレックスなどの機械式時計に取って替わることはないと思っていたが、2015年の春以降、左手首にはアップルウォッチかスントのGPSデバイスが陣取り、機械式時計は全く身に付けなくなった。時間を見るためだけの時計を手首部分に占有させるのはもったいないと思うようになったからだ。

それほどこの種の時計の通知機能は便利で、メールやSNSなどとリンクしたこの機能がないのは、今となっては考えられない。そんなアップルウォッチだが、今回のモデルチェンジで『Series 4』となった。真っ先に挙げられる変更点は画面の大型化で、従来38mmと42mmのラインアップだったのが、今回より40mmと44mmの2種類となった。

「たった2mmの大型化なの?」と思う人もいるかもしれないが、これまでよりケースの縁ギリギリまで液晶部分を拡大したことから、画面自体はかなり大きくなった印象。ランナーにとってはマップのようなアプリを使用する際に特に恩恵が大きいと思う。

またサイズを大きくし過ぎると、長袖のランニングウェアやアウターを着た際に時計が外に出にくくなるので、これまでの経験上からいうと、秋冬シーズンに使うには今回くらいのサイズがマックスだと思う。以前ならアウターや長袖インナーなどの上から着用するランナーも存在したが、最近のランニング対応ウォッチは文字盤裏に心拍センサーを搭載しているからそれもできないのだ。

あと、外観で変更になったのは本体ケースが薄くなったことである。実際に屋外ランニングで使用してみると、ワークアウトのアプリは、以前同様に操作は簡単で、誰もが直感で使いこなせるくらいにシンプル。

これまで通りイージーな操作のワークアウトアプリ。他のGPSデバイスは全く使えなかった機械オンチの友人たちも、このアプリはしっかり使いこなせているほど簡単だ。

1km/5分50秒ほどのペース、36分ほどのタイムで日課としている6kmランを終えたが、これまで通りのルーティンで使用できるのが嬉しい。新たに操作方法を憶えるのは面倒なので、この部分はあえて変えないでほしいと思っているランナーは自分だけではないだろう。

一方で新たに追加されて便利になったと思ったのは、ワークアウトの自動検出である。これは『Series 4』に限定した話ではなく、ウォッチOS5に関連した機能であるが、ワークアウトアプリを起動させていなくても、アップルウォッチは着用者が運動しているのを感知すると、「ワークアウト中のようですね?」と尋ねてくれる。

アップルウォッチ(キャプ)に限定した話ではないが、watch OS5から採用されたワークアウト検出機能が本当に便利。画面のように着用者に尋ね、操作忘れを防止してくれる。

筆者は雨など悪天候の日は屋内のトレッドミル(ランニングマシン)で走ることも多いのだが、トレッドミルの操作に集中して、ついワークアウトアプリの起動を忘れることが多々あったが、この機能があればアップルウォッチが忘れずに教えてくれ、通知したタイミングよりも前に遡って、運動を感知した時点からワークアウトを記録してくれるのだ。

GPS機能と防水性がプラスされた『Series 2』、ウォッチ単体で通話を可能としたセルラー機能を搭載した『Series 3』と比較すると、今回のモデルチェンジの目新しさは少ないかもしれないが、逆にいうと『Series 3』の時点で完成度がかなり高かったということがいえ、個人的には今回のスペックアップは非常に好感を持っている。

そして以前からのアップルウォッチ愛用者が気になっていることのひとつは、「以前のベルトは『Series 4』でも使えるのか?」ということだと思うが、その答えは38mm用と40mm用、42mm用と44mm用はそれぞれ互換性があるとのこと。

個人的にはランニング時に最もフィットするバンドはスポーツループだと思っており、42mm用のスポーツループを何本も購入しているが、シリーズ4の44mmモデルでも、それらを使用できることは本当に嬉しい。

左が『Series 4』の44㎜、右が『Series 3』の42㎜。縁のギリギリまで液晶画面となっているので、2㎜のサイズアップとは思えないほど見やすくなっている。

南井正弘(みないまさひろ):ランニングポータルサイト『Runners Pulse』編集長。某スポーツシューズブランドに勤務し、クイズ番組『カルトQ』のスニーカー部門チャンピオンにも輝いた実績を持つ。

※『デジモノステーション』2018年12月号より抜粋。

関連サイト
Apple Watch Series 4

text南井正弘
(d.365
アップルウォッチ(キャプ)に限定した話ではないが、watch OS5から採用されたワークアウト検出機能が本当に便利。画面のように着用者に尋ね、操作忘れを防止してくれる。