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image credit:AMERICAN CHEMICAL SOCIETY

 どこか『不思議の国のアリス』っぽい雰囲気もあるこのキノコ。なんと発電できるのである。

 たくさんのキノコを細い配線を繋げば、LEDライトを点灯させることだってできるという。

 キノコの傘の部分には、3Dプリンターグラフェン入りの電子インクとバクテリアバイオインクが印刷されている。

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キノコに電子インクとバイオインクを3Dプリント

 この発電キノコは、アメリカスティーブンス工科大学のManu Mannoor氏とSudeep Joshi氏が中心となった研究チームが開発したものだ。

 使用したキノコマッシュルームで、最初に、枝分かれする網の目のようなパターンの電子インクを印刷する。

 次に、光合成でエネルギーを作り出す細菌シアノバクテリアを使ったバイオインクを、傘に螺旋状に印刷する。

 ポイントは電子インクとバイオインクがいくども交差するように印刷することだ。

 キャンバス代わりとなったマッシュルームは、このバクテリアに住処と湿気と栄養を提供。その見返りにバクテリアは光合成によってエネルギーを提供する。

 この光合成が行われるとき、バクテリアからは電子が放出される。

 そして、ここで大切になるのが先ほどの交差点だ。バクテリアの外膜から電子インクのグラフェンに電子が流れ込む大事な接点だ。

 あとはここに配線を繋げば、晴れて電気を得ることができるわけだ。

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image credit:AMERICAN CHEMICAL SOCIETY

シアノバクテリアの持つユニークな能力


 この発電キノコから得られる電気はおよそ65ナノアンペアとのこと。電化製品を動かすには少々力不足だが、キノコを列にしてつなげばLEDライトくらいは点灯させられるそうだ。

 『Nano Letters』に掲載された研究論文によると、「シアノバクテリアには、光合成のエネルギーをほぼ100パーセント近い比類なき内部量子効率で転換できるというユニークな能力」があるという。

 「光合成生物には25億年を超える進化の歴史があり、その結果、入射光エネルギーを吸収するうえで最も効率の高いアンテナシステムが出来上がった。」

 極限環境でも生息することができるシアノバクテリアは、次世代のエネルギー問題、ひいては火星移住へのカギを握っているのかもしれない。

・光が届かない地底で光合成するシアノバクテリアが発見される。生存メカニズムの解明が地球外生命体発見の鍵に? : カラパイア

 研究チームは現在、キノコを改良してさらに発電ができるように試みているそうだ。

References:cosmosmagazine/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52267549.html
 

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