▽14日、今シーズン限りでの現役引退を発表したSC相模原の元日本代表GK川口能活(43)の引退記者会見が、相模原市内で行われた。

▽川口は4日に現役引退を発表。今回改めて現役を退く意思を明かした同選手はその後、メディア陣からの質疑に応対し、自身のプロキャリアの出発地点となった横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)と、最終地点となった相模原での生活を振り返り、今後指導者にチャレンジする思いを明かした。

◆GK川口能活(SC相模原)
──ご自身にとって横浜マリノス(現・横浜F・マリノス)とはどういうチームだったか
「僕が子供の頃は当時Jリーグがなく、JSL(日本サッカーリーグ)でした。前身であった日産自動車時代から憧れはありました。横浜マリノスになってからもJリーグで常に上位を争い、そしてGKには当時日本代表だった松永成立さんがいました」

「松永さんの存在が非常に大きく、自分が将来日本代表になるためには、松永さんから吸収して、その壁を超えないと日本代表にはなれないという思いがありました。横浜マリノスがどういうものかということに対して、少しズレてしまうかもしれませんが、自分が横浜マリノスを選んだ理由というのは、松永さんの存在が大きかったです」

──横浜マリノスから一番学んだことは
「当時マリノスに入団した時のGKは、元日本代表や現役日本代表の方々がいて、ものすごく強烈なオーラが出ていました。とても気軽に話せるような環境ではなかったです。日本代表やJトップクラスのGKには、こういうオーラが必要なんだなと。近寄りがたいオーラというか、そういうものが必要なのかと思いました」

プレーするだけでなく、違った雰囲気を出すことも大事だと。もちろんレベルの高さ、質の高さも学ぶことができましたけど、選手として必要なオーラを学ぶことができました」

──最後のチームとなったSC相模原は、どういう意味を持っているか
「やはり自分が代表、J1、J2というカテゴリープレーしてきた中で、J3でプレーするというのは、自分の中でも挑戦でした」

「もちろん、厳しい環境の時もありましたけど、その中でもサッカーができる、自分はサッカーが好きだということを再認識することができました。プレーできる喜びを改めて実感できました。そして選手やスタッフの方々の絆、スタジアムの運営やボランティアをやっている方々の献身的な姿勢を間近で見ることができ、温かさを学ぶことができました」

「出場機会も減っていき、自分が選手として納得のいく結果を得られたかというと少し疑問に思うところもあるかもしれませんが、大切さというのを知ることができた。そういう非常に濃い経験ができた3年間でした」

──今後について
「自分はサッカーをして人生を歩んできました。やはり、現場で指導者として、自分の経験したことを伝えたいです。また、自分も指導者として、サッカーは常に進化しているので、勉強していきたい。指導者になるための歩みをしっかりと始めたいです」

──周囲からはワールドクラスのGKを育てて欲しいという声があるが
「GKが人気のあるポジションになる、みんなが一番にGKをやりたがるようになるというところだと思います。GKのプレーのかっこよさ、とはいえただセービングをすれば良い、ダイブをすれば良いという問題ではないですが、派手なプレーとは言いませんが、動きがかっこいいと。そういうところから思えるところから入るのもありかなと思います」

「なので、フォームや形、見栄えも大事だと思います。容姿とかではなく、プレーのかっこよさをというところで、そういう選手が出てきたり、自分が育てられれば良いかなと思います。ただ、まだそういうノウハウはありません。指導実績もないので、そういうことは勉強していきたいです」

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