kitano20181113

11月9日、「冷戦終結後最大規模で仮想敵国がロシア」というNATOの軍事演習が実施されたと報じられました。これを受け国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、ロシアと東欧の紛争、スパイ暗殺事件、北朝鮮情勢など、ここ10年だけでも「軍事演習が必要なほど緊迫」している世界各地の実情を列挙し、「日本の危機感のなさ」に警鐘を鳴らしています。

【平和の島】日本の危機

日本は、本当に平和な国です。たとえば、「世界大戦の準備が着々と進められている」と聞いたら、普通の日本人はどういう反応しますか「ネトウヨ?」「トンデモ?」「陰謀論者?」。これが、ごくごく普通の反応だと思います。たとえば、こちらをごらんください。

<NATO>冷戦後最大の軍事演習 「仮想敵国」はロシア

毎日新聞 11/9(金)22:41配信

 

北大西洋条約機構(NATO)が対ロシアを念頭に、冷戦終結から最大規模となる軍事演習を北欧ノルウェーで展開している。ロシアによるウクライナへの軍事介入(2014年)やサイバー攻撃などを組み合わせた「ハイブリッド」型の脅威に身構える西側諸国が強い対抗姿勢を示した形。演習に対してロシアは激しく反発する。演習直前には、米国がソ連(当時)と結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を表明したことで、米露の軍拡競争活発化の懸念も強まる。世界は「新冷戦」のとば口にあるのだろうか。

トロンヘイム(ノルウェー中部)で八田浩輔】

これ、どうですか?NATOは冷戦後最大規模軍事演習を行っている。仮想敵ロシア。なんでそんな話になっているのでしょうか?

世界で今起こっていること

世界で今、何が起こっているのでしょうか?ここ10年を超特急で振り返ってみましょう。08年リーマンショックからアメリカ発「100年に一度の大不況」が起こった。この時、アメリカは沈みましたが、中国は逆に浮上した。世界が沈む中、この国は9~10%の成長をつづけた。

アメリカは沈んだ中国は浮上した

それで、中国は「本性」を現します。2010年尖閣中国漁船衝突事件」。明らかに中国が悪いにも関わらず、レアアース禁輸など、厳しい制裁を日本に科した。2012年9日本は尖閣を国有化。同年11月、中国は、ロシアと韓国に「反日統一共同戦線戦略」を提案。「日本壊滅作戦」に乗りだしました。全国民必読証拠はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

私は2012年11月、「日中戦争がはじまったと認識しました(「武器を使う戦闘行為」は起こっていませんが、「戦争」には、「情報戦」「外交戦」「経済戦」などが含まれます)。

私は以後、ずっと「戦時中」という意識で生きています。そして、私のミッションは、

  • 第1に、日中戦争(戦闘)を回避すること
  • 第2に、万が一日中戦争(戦闘)になっても、日本必勝の状態をつくっておくこと

この2つを常に意識しながら、情報発信をしてきました。その集大成が、『中国に勝つ日本の大戦略』(北野幸伯 著/扶桑社 )。08年以降何が起こったのかを超詳細に記し、中国の戦略を無力化する方法も、具体的に書いています。まだの方は、是非ご一読ください。

この後中国は、「日本は右傾化している」「日本は再び軍国主義化している」「日本は歴史の修正を目指している」と大々的にプロパガンダしました。その証拠として挙げたのが、「総理の靖国参拝」「憲法改正」「東京裁判史観の見直し」などだった。

2013年12月安倍総理が靖国を参拝した。すると、思いがけず世界的大バッシングが起こった。中韓のみならず、アメリカ、イギリス、EU、ドイツロシアオーストラリアシンガポール、台湾などが、日本を強く非難した。特に大々的だったのがアメリカメディアです。

日本政府は、大いに驚きました。「小泉さんは、在任中6回も参拝して、ほとんど批判されなかった。なぜ安倍総理が1回参拝しただけで、これほどひどく叩かれるのか????」

しかし、世界にその理由を知っている人たちが3万6,000人ほどいました。それが、RPEの読者さんです。RPEでは、「反日統一共同戦線戦略」のことを語っていましたし、「靖国参拝で一番喜ぶのは習近平である!」として、靖国参拝に反対していた。(念のために書いておきますが、私が靖国参拝に反対だったのは、それが中国の罠だから】です。「道義的」には参拝に大賛成です)。

2014年初め日本は世界で孤立していました。中国の思惑どおり、中国、アメリカ、ロシア、韓国が日本をバッシングし、それに、欧州、オーストラリア東南アジア諸国が便乗するような状態になっていた。ところが、2014年3月ロシアクリミアを併合したことで、日本と安倍内閣は救われました。なぜ?アメリカは、「ロシア制裁」を主導せざるを得なくなった。その制裁網に、日本を加える必要があったからです。