小さい頃、父親が読んでくれた絵本について描いた漫画がSNS上で話題となっています。父親の通夜に来た女性。父親がよく絵本の読み聞かせをしていたことを母親から聞き、当時読んでいた絵本を再び読み始めますが…という内容で、「面白かった」「癒された」「いい話で、つい『は?』と言ってしまった」などの声が上がっています。漫画の作者に聞きました。

思いついたことをそのまま漫画に

 この漫画を描いたのは、りんごさん(ペンネーム、32)です。普段は別の仕事をしながら漫画を描いています。今年10月、漫画雑誌「モーニング」(講談社)の月例賞で、漫画「ゆーちゅーぶパパ」が奨励賞(2018年8月期)を受賞しました。

Q.漫画を描き始めたきっかけは。

りんごさん「10年ほど前から、オリジナルキャラクターの漫画を描き始めました。ずっと描き続けていますが、人気が出ないので宣伝のために創作漫画を描いています」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

りんごさん「難しく考えず、思いついたことをそのまま漫画にしようと考えたことがきっかけです。漫画にしようと思っているネタの中から、完成形がすぐにイメージできたものを選びました。最初に思い浮かんだ『続きが気になる所で終わってしまっている』というシーンを元に、その他の設定は思いつくままに描きました」

Q.小さい頃、絵本はよく読みましたか。また、漫画で描いたような長編シリーズの物語は好きですか。

りんごさん「絵本はあまり記憶にありませんが、児童書は『かいけつゾロリ』シリーズが好きでした。長編の物語は好きです。好きな作品は可能な限り、長く続いてほしいと思います。最終回が来て、主人公の旅がもう読めなくなると思うと悲しくなりますから」

Q.お父さんが描いた絵本のラストが印象的でした。漫画を創作する際、結末ははっきりと描きたいですか。

りんごさん「まだ、長編を描いたことはありませんが、結末ははっきりさせたいと考えています。物語を創作する際は、必ず『最後はどうなるのかな』ということも自然と考えています」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

りんごさん「『癒やされた』と言ってもらえることが多いように感じます。ツイッターに投稿する漫画はパロディーも含んでいますので、元ネタを指摘していただけるとうれしいです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

りんごさん「まずは読み切り漫画をきちんと描けるようになり、商業誌の誌面デビューをしたいです。常にやりたいことは山ほどあるので、やれることを増やしたいです」

オトナンサー編集部

父親が読んでくれた絵本について描いた漫画のカット=りんごさん(@ringo_san_)さん提供