日本のGKと言えば、川口、楢﨑、川島の「W杯に出た3人になると思う」

 森保一監督率いる日本代表が大分合宿3日目を行った14日、元日本代表GK川口能活SC相模原)が現役引退会見を行った。GK権田修一FC東京)は偉大な守護神の引退に思いを馳せつつ、「今、日本人のGKは変革期」と自身の見解を語った。

 川口は現役生活25年の中で、日本代表の一員として歴代3位タイの国際Aマッチ116試合に出場。日本が初めてワールドカップ(W杯)に出場した1998年から4大会連続でメンバイー入りした。J1、J2、J3、海外移籍、五輪、W杯を経験した百戦錬磨の守護神に、権田も憧れた一人だ。

 森保体制においては、権田、東口順昭(ガンバ大阪)、シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)が3カ月連続で招集。過去3試合では東口が初陣のコスタリカ戦(3-0)と直近のウルグアイ戦(4-3)、権田は10月のパナマ戦(3-0)でゴールマウスを守ったが、3人ともこれまで代表で確かな実績を残してきたわけではない。権田は「日本人のGKは世界的に見てまだまだストロングじゃない」と前置きしたうえで、川口を筆頭に、過去にW杯に出場した楢﨑正剛(名古屋グランパス)、川島永嗣(ストラスブール)ら偉大な先輩たちについて触れた。

世界レベルの大会に出た選手が記録にも、記憶にも残るのは当然のこと。日本のGKと言えば、国内、世界、アジアで見てもW杯に出た3人になると思います」

プレッシャーを感じるんじゃなくて、それぞれの形で日本のGK像を作っていければ」

 日本が強豪国と対等に渡り合うためには、GKの“世界レベル化”は不可欠な課題だ。新しいGK像を作っていくことは、「僕らにも責任がある」と権田は自覚を覗かせる。

「まだ第一線でできる選手たちが、プレー、タイプ、GK独特の雰囲気で『日本にはこういう選手もいるんだよ』というのをどんどん見せていかないといけない。今、日本人のGKは変革期というか、今までずっとその3人がいたなかで新しく選手が出ているところ。このタイミングで、『やっぱり日本のGKはその3人じゃなきゃダメだよね』と言われたらそこまで。そうなったら、日本がW杯で上に行こうなんて無理な話かなと」

 もっとも、権田は川口や楢﨑、川島の“第2の存在”になるのではなく、自分たちの良さを出して上を目指していくべきだと説く。

「別に能活さん、楢﨑さんみたいなことをしなきゃいけないとは思わないし、永嗣さんの真似事をしても上手くはいかない。プレッシャーを感じるんじゃなくて、僕は僕の良さ、東口くんは東口くんの良さ、ダン(シュミット・ダニエルの愛称)はダンの良さを出して、それぞれの形で日本のGK像を作っていければいい」

 来年3月に30歳を迎える権田が、2022年のカタールW杯を目指す森保ジャパンの中でどのような存在感を放っていくのか、見ものだ。(Football ZONE web編集部)

GK権田修一【写真:Getty Images】