健康上のリスクが低く受動喫煙の軽減にもなると一部では言われ、禁煙へのステップとしても使用される電子タバコ。日本でもその普及率が上昇しているが、充電を必要とすることから電池爆発の危険性が度々伝えられおり、実際に欧米では電子タバコによる事故も起こっている。このほどイギリスでポケットに入れていた電子タバコが突然爆発し、大やけどをした男性のニュースが『Liverpool Echo』『Metro』などで伝えられた。

マージーサイド州カークビーに住む3児の父ダレン・ウィルソンさん(37歳)は11月9日の夜、電子タバコの爆発により股間と脚に深刻なやけどを負ってしまった。

ダレンさんはこの日、自宅を改装しておりキッチンドアのそばに立っていた。するとどこからか焦げ臭いにおいが漂ってきたため、ダレンさんは誰かが花火でも玄関に投げ入れたのかと思ったそうだ。ところがにおいの元は、自分がズボンのポケットに入れていた電子タバコだった。当時の様子をダレンさんはこのように話している。

作業用のズボンのポケットを見たら電子タバコが爆竹のように燃えていました。発火して花火が散ってて煙が出ていたんです。慌ててズボンを脱ごうとしたけれどズボンも燃えていて。バッテリーに使用されている強い酸性の液体が漏れており、左脚と陰嚢に酷いやけどを負ってしまいました。」

ダレンさんは同僚に後を頼んで、すぐに車でエンツリー大学病院に連れて行ってもらった。やけどの具合がひどく、病院に向かう途中でもまるで脚が溶けていくような感覚を味わったという。エンツリー大学病院で治療を経た後、ダレンさんは主要なやけど患者の治療をする専門病棟があるウィストン病院へと移り、今も入院中である。既に背中の皮膚を移植する手術を受けたが、これからまだ2週間は入院生活を強いられることになるようだ。

「今は歩くことができないんです。シャワーやトイレの時には激痛が伴うのでモルヒネを使っています。8時間に1回は傷口を奇麗にして包帯を替えたりしなければなりません。」

ガス取り付け会社「DD Wilson」の経営者でありエンジニアであるダレンさんは、これまで仕事上において一切問題もなく、やけどなどの怪我をしたこともなかった。それが今回、自身のポケットに入れていた電子タバコで大やけどを負ってしまったなんて―とパートナーのクレア・マルハーンさんは苦笑している。

ダレンさんは半年前に紙たばこを止め、電子タバコに切り替えたそうだ。最近、バッテリーを交換したばかりだったという。

「紙たばこを止めてから、6か月間は健康的になろうとしてきたんです。15.8kgほど痩せたし、電子タバコの方がいいなんて思ってたけど、とんだことになってしまいました。」

マージーサイド消防署のスポークスマンは、「充電中に電子タバコが発火したという通報は何件か寄せられている」と述べている。2015年には、米フロリダ州で電子タバコの爆発により昏睡状態になった男性のニュースが伝えられており、移植を要するほどの深刻なやけどを負ってしまったものの、ダレンさんはまだ運が良かったほうだと言えるだろう。

画像は『Liverpool Echo 2018年11月12日付「E-cig explosion leaves dad with severe burns to CROTCH」(Image: Darren Wilson)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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