関東北部の国立病院で働く20代男性が2016年に自殺したのは、月154時間の時間外労働や26連勤による過労が原因だとして、国の労働保険審査会が過労死と認定した。11月9日、男性の遺族の代理人弁護士が会見を開き明らかにした。

男性の遺族は一昨年、男性の自殺を労基署に労災申請したものの「残業時間は自己研鑽のための時間だった」として認められなかった。遺族から不服申立を受けた労働者災害補償保険審査官も昨年12月に審査請求を棄却していた。再審査請求に基づき行われた審査会で、これら2つの判断が覆った形だ。

遺族「ログ記録があったのに過労死を争い、労基署も認めなかったことには憤り」


遺族は、病院の労務管理体制を問うています。

10月19日付けの裁決書によると、男性は、職場に勤務する医師や看護師など約400人分の給与支払い関係業務をほぼ一人で行っていたという。2015年12月中旬までの1か月の残業時間は154時間を超えていた。その後うつ病を発症し、2016年、自ら命を絶った。

男性は給与支払い関係業務の経験が浅かったものの、専門的な研修を受けていた記録はないという。職場の関係者からは「極めて真面目」という評価だった。審査会はパソコンのログ記録なども含め、

「わからないことがあれば書籍やインターネットで、必要な知識を身に着けながら日々の業務をこなしていたと推認される」

と判断。労基署などが時間外労働として認めなかった残業を業務の範疇と認め、労災認定した。

男性の遺族の代理人弁護士はキャリコネニュースの取材に対し、「本を読んだりサイトを覗いたりといった時間を、『仕事のために必要だから労働時間にあたる』と認めたことは意義深い」と話す。男性の両親は代理人を通じ、

「パソコンのログ時間という根拠があったのに使用者が過労死を争い、労基署も過労死を認めなかったことには憤り。今回は事実を認めてくれてありがたい」(父親)
「上司は労働時間管理も健康管理もせず、責任を果たしていなかった。きちんと仕事量に配慮してくれたらこんな結果にはならなかった」(母親)

とコメントしている。