膵がんに関わる遺伝子変異は、これまで多数発見されてきましたが、膵がんの危険因子とされる膵臓にできる腫瘍性の嚢胞「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」にどのような「初期病変の不均一性」が存在するかは明らかではありませんでした。

本研究は、「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」患者にみられる膵がんの形成において、良性と悪性の中間的な状態を示す前駆病変が多彩な性質や特徴をもつ病変へと枝分かれしながら進化する、新たな発がん経路が存在することを明らかにしました。

またこの研究によって、IPMN関連膵がんの発がん経路ごとの、遺伝子変異の蓄積パターンやがん化および無病生存期間に特徴があることが明らかになったことから、これらの知見を用いた膵がん早期発見のためのスクリーニング検査、最適治療選択などへの応用が期待できます。

Genomedia株式会社は、エキソーム解析、メチル化解析、データ解析による、これらIPMN関連膵がんにおける新たな発がん経路の存在証明を担当致しました。

本研究成果は、米国の科学雑誌『Gastroenterology』(2019年2月号)の掲載に先立ち、オンライン版(10月17日付け)にて公開されました。

雑誌名: Gastroenterology
タイトル: Pathways of progression from intraductal papillary mucinous neoplasm to pancreatic ductal adenocarcinoma based on molecular features
著者: Yuko Omori, Yusuke Ono, Mishie Tanino, Hidenori Karasaki, Hiroshi Yamaguchi, Toru Furukawa, Katsuro Enomoto, Jun Ueda, Atsuko Sumi, Jin Katayama, Miho Muraki(Genomedia), Kenzui Taniue(Genomedia), Kuniyuki Takahashi, Yoshiyasu Ambo, Toshiya Shinohara, Hiroshi Nishihara, Junpei Sasajima, Hiroyuki Maguchi, Yusuke Mizukami(責任著者), Toshikatsu Okumura and Shinya Tanaka
DOI: 10.1053/j.gastro.2018.10.029.
Online: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0016508518351606

Genomedia株式会社について

Genomedia株式会社は、ゲノム解析、バイオライフサイエンス情報解析の研究者等により、2013年に設立されたベンチャー企業です。高速シークエンサー等の最新の分析技術を活用した解析、大規模な臨床情報とゲノム情報等を統合し、トランスレーショナルリサーチのための情報基盤を提供するGenomedia Frontの開発・提供を行っています。

ホームページ:https://genomedia.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】
TEL:03-6801-6811
E-mail:contact@genomedia.jp

配信元企業:Genomedia株式会社

企業プレスリリース詳細へ

PR TIMESトップへ