親のアレルギーは遺伝するのでしょうか。今回は8歳の男の子を持つママからの相談です。エビが大好きな男の子ですが、親の遺伝で甲殻類アレルギーが発症するのではないかと心配しています。専門家からはどのようなアドバイスが寄せられたでしょうか。



8歳児のママからの相談:「今後の食物アレルギーの発症について」


8歳になる息子は離乳食の頃から今に至るまで食物アレルギーはありませんが、母親の私は甲殻類アレルギーで蕁麻疹が出たことがあるため、エビやカニ、カキ、ホタテ等は食べないようにしています。息子はエビが大好きで、今のところ蕁麻疹が出たことはないのですが、あまり多く食べさせるとアレルギーが発症するのではないかと心配です。今のところ食物には反応していませんが、花粉やハウスダスト等のアレルギーは持っています。食べ物にも反応しやすいということはあるのでしょうか。(30代・女性)




食物アレルギーは遺伝しない。遺伝するのは体質

アレルギーは遺伝しないものの、体質は遺伝することがあるようです。




『食物アレルギー自体は遺伝しないといわれます。親に甲殻類アレルギーがあっても、子どもも同じアレルギーということはありません。ただ、アレルギーを引き起こしやすい体質(アレルギー体質=アトピー素因)は遺伝する可能性があります。必ず遺伝するとは限りませんが、親がアレルギー体質であれば、子どもも同様の体質である可能性が高いです。(看護師)』





アレルギー体質があったとしても、親と同じ食物アレルギーではなく、アトピー性皮膚炎アレルギー性鼻炎・花粉症など、アレルギー性の別の症状として現れる場合があります。(看護師)』





『両親がアレルギー体質の場合は60%、片親にアレルギーがある場合は40%、両親がアレルギー体質でなくても20%の子どもがアレルギーを発症するという研究結果もあります。アレルギーの対象はそれぞれで、親が食物アレルギーでも子どもも同じとは限らず、花粉・ハウスダスト・金属・アトピー等、様々です。(看護師)』




甲殻類アレルギーがあるかどうかは病院で検査を

甲殻類アレルギーは学童期以降に発症することが多いため、病院で検査しておいた方が良いようです。




『花粉やハウスダストに対して症状が現れているなら、アレルギー体質を持っていると考えられます。食物アレルギーを発症する可能性はあり、注意が必要です。特に甲殻類アレルギーは5~6歳、学童期以降に発症することが多く、今後現れる可能性はあります。現時点で症状が出ているわけではないので自己判断で除去する必要はありませんが、食べた後の観察を十分に行いましょう。(看護師)』





『花粉のアレルゲン物質と野菜や果物のアレルゲン物質は構造が似ているため、花粉アレルギーがあると特定の野菜や果物で食物アレルギーを起こすことがあるといわれます。甲殻類でも発症するかは分かりませんから、はっきりさせるには病院で検査した方が良いでしょう。(看護師)』





『花粉アレルギー対策の1つに腸内環境を整えることがあります。乳製品・発酵食品・食物繊維など食事に取り入れると良いのですが、体質改善を試みる場合は医師に相談して下さい。(看護師)』




花粉アレルギー等がある場合、食物アレルギーを発症する可能性はあるようです。花粉アレルギーは医師に相談して体質改善を試みるのも対策の一つとのアドバイスもありました。



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