『5感+1つの感性 絵を見ておしゃべりしよう!展』が、2018年12月8日(土)~2019年2月24日(日)まで、神奈川県平塚市美術館にて開催される。

人間や動物の感覚機能は、「視覚」「嗅覚」「聴覚」「触覚」「味覚」の5つ、いわゆる「五感」と呼ばれている。本展では、これらになぞらえた5つの部屋に加え、創造力を働かせて対話しながら鑑賞できる第六感の部屋で所蔵作品を紹介する。

勝呂忠《楕円の景》1982年_油彩・キャンバス

勝呂忠《楕円の景》1982年_油彩・キャンバス

最初の部屋は「視覚」。滝波重人、勝呂忠、木村一生の色彩豊かな抽象作品が展示の幕開けを飾る。2番目の部屋は「嗅覚」。匂うがごとくに咲き誇る花や花器のとりどりの作品を楽しめる。3番目は「聴覚」。風の音がそよぐような風景、ギターや楽器をもった人物など、作品から聴こえてくる音に耳を澄ませてみよう。4番目は「触覚」。この部屋では、昨年1月に亡くなった彫刻家で、大磯に長く住んだ保田春彦の金属彫刻を展示する。5番目は「味覚」。身近な果実を描く作品は古来から存在し、作家は果実に豊かに実る豊穣の大地を感じ、崇高な造形の美や、大きな塊としての彫刻性を表現してきた。

安田靫彦《新蔬》1940年_彩色・紙

安田靫彦《新蔬》1940年_彩色・紙

映画界で『The Sixth Sense』がヒットしたのは20年前。第六感の存在を扱って衝撃的なラストを迎えるシナリオだったが、本展の6つ目の部屋には、物語性があってイマジネーションが広がり、感性が刺激されるような作品を展示する。絵に向き合い、思ったことを言葉にしてみるのもいいだろう。

美術鑑賞には正解がない。本館おなじみの作品から、普段あまり展示されてこなかった初公開作品まで、多彩な作品をぜひ堪能してほしい。

金子保《芍薬の花》1919年_油彩・キャンバス

金子保《芍薬の花》1919年_油彩・キャンバス

伊藤彬《青幻記》1976年_彩色・紙

伊藤彬《青幻記》1976年_彩色・紙

木村荘八《ギターを弾く男(鳥海青児)》1930年_油彩・キャンバス