子供が寝る時間になり布団に入ると、途端に咳が出始めてなかなか寝付かない…。そんな経験のあるお母さん、お父さんは多いかと思います。咳がひどいと嘔吐することもありますし、長引けば睡眠不足に陥ることもあります。 ここでは、夜に起こる子供の咳の原因と、家庭での対処法などについてお話ししたいと思います。

子供の咳の原因

咳は、発熱と同じく子供に起こりやすい症状の一つです。気道という空気の通り道が、ウイルスやほこりなどの異物を外に出そうとして、反射的に起きる防御反応が咳です。

咳の原因として、外気から受ける刺激(埃や粉塵を吸い込むなど)、痰がからむ、気道に炎症がある、寒暖差によって気道が過敏になることなどが考えられます。子供の咳の原因として多いのが、風邪などの呼吸器感染症気管支喘息副鼻腔炎などです。

咳の種類

一口に咳といっても種類があり、下記のように咳の出方や期間によって変わってきます。

咳の出方の分類

  • 乾性咳嗽:痰のからんでいない軽い調子の乾いた咳
  • 湿性咳嗽:痰の絡んだ湿った感じの咳
  • 犬吠様咳嗽:「ケン、ケン」と犬が吠えるように聞こえる咳

咳の期間の分類

  • 急性の咳:3週間未満で落ち着く咳
  • 遷延性の咳:3〜8週間続く咳
  • 慢性の咳:8週間以上続く咳

これらの咳の分類は、咳の原因となる病気を見つけるのに非常に大切な情報となります。受診時に必ず医師に伝えるようにしましょう。

夜に咳が出やすい理由

日中はあまり咳が出ないのに、寝る前や夜間、寝起きに咳が出やすい場合があります。理由としては、下記のようなものが挙げられます。

布団の温もり

布団の中に入ることでからだが温まりリラックスすると、咳が出やすくなります。

布団に付いた埃

布団の埃が鼻から気管に入ることで咳が出やすくなります。

空気の乾燥・気温の低下

吸い込む空気が乾燥していると、気道異物を取り除く働きをする線毛の運動が抑制され、咳が出やすくなります。

副鼻腔気管支炎症候群

明け方に咳が出やすい病気です。黄色のどろっとした膿を含む鼻水がのどの奥に流れ込むことで起こります。

家庭での対処法

安易に咳止めを使うのはやめておきましょう。喘息など、止めてはいけない咳もありますし。また、咳止めには中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬があり、状態によって使い分ける必要があります。

子供の咳が続いて辛そうな時など、家でできる対処法として下記が挙げられます。

空気の加湿・清浄

加湿器や空気清浄機などを使って、部屋の湿度を調整し、空気をきれいな状態に保つようにしましょう。特にタバコの煙は子供の咳に非常に悪影響となりますので、部屋を分けたり、禁煙したりといった方法を取りましょう。

水分補給

気道の加湿になりますので、夜間でも水分補給ができるように枕元などにお茶などの水分を準備しておきましょう。何回かに分けて少量ずつ飲むと効果的です。

上半身を起こす

咳が激しい場合には、上半身を起こすことで気管や肺の圧迫を取ることができ、痰が出やすくなります。ベッドのリクライニングを少し上げたり、クッションを使って頭を高くしたりするなど、寝やすく咳が治る態勢を見つけてあげましょう。

呼吸が苦しそうな時や咳がひどくて眠れない時には、肺炎や喘息発作、気管支炎などの可能性がありますので、急いで病院を受診するようにしましょう。

まとめ

咳の原因の中には、まれにストレス性のものや、腫瘍によるもの、先天異常によるもの、その他にも色々な病気が隠れている場合があります。ただの咳だと思っていたら、実は重篤な病気の症状だったということもあります。

子供の咳が日常化して関心が薄れることのないように注意してください。咳が出る場合には、咳の出方や期間を記録しておき、早めにかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。

夜に子供の咳が止まらない…。どう対処したら良い?