学生(oneinchpunch/iStock / Getty Images Plus/写真はイメージです)

広島県廿日市(はつかいち)市の中学生グループが、グループ内の女子生徒の胸部を圧迫して「気絶させる」という動画を撮影し、ネット上に投稿していたことがわかった。

 

■中学校に通報相次ぐ

廿日市署や教育委員会によると、30秒程度の動画を撮影したのは、市内の複数の中学に通う友人グループによるもの。5人ほどの男女が、グループのひとりでもある女子生徒を壁に押しつけ、胸部を圧迫。倒れこむ女子生徒と、周りの笑い声が撮影されていたそうだ。

この動画はツイッターなどで拡散され、生徒らが通う中学校に通報が相次ぎ発覚。学校側が県警廿日市署に相談した。倒れ込んだ女子生徒にケガや後遺症はないようだが、同署は一部の生徒を補導して注意したという。

 

■「失神ゲーム」「気絶遊び」

体の一部を強く圧迫して相手を気絶させる行為は「失神ゲーム」、または「気絶遊び」と呼ばれ、数十年前から子供たちの間で「遊び」としても「いじめ」としても行われてきた。

国内のみならず、海外でも多くの子供たちが知るきっかけになったといわれるのは、動画共有サイトにある実践動画の拡散だとも言われている。

失神ゲームを実践しながら失神するための息づかいや心臓を圧迫する方法などを解説しているのだ。

■後遺症や死に至る行為

このゲームによる暴行や傷害事件は後を絶たない。全国で病院に搬送されている事例も少なくない。

過去、ゲームを実践した際に転倒し、歯を折るなどの重傷を負ったという人もいる。また、福岡県では同級生に失神ゲームを強要し、暴行を加えた傷害容疑で高校2年生の男子生徒は福岡県警に逮捕されている。

今回の中学生グループも「遊び感覚でやった」と供述しているようだが、実際には後遺症が出ることもあり、死に至るこもある。「ゲーム」や「遊び」とは程遠い、きわめて危険な行為だ。

 

■再発防止にすべきこととは

市教委学校教育課は「遊びの内容も、SNSの使い方も不適説」と話し、再発防止に向け、市内の全中学校へ注意を促すことも検討しているそうだ。

まずは、今でも削除されることなく動画投稿サイトにアップされているこの危険な行為の実践動画を削除、そして取り締まることからはじめるべきではないだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

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