ボーンマスのイングランド代表FWジャーメイン・デフォーが16日、昨年小児がんで逝去した6歳の“親友”ブラッドリー・ローリー君にOBE(大英帝国勲章)を捧げた。イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 ブラッドリー君との出会いを機に、デフォーが創設した小児がんの患者を支える財団が16日、バッキンガム宮殿で大英帝国勲章を授かった。そして、式典に参列したデフォーは大英帝国勲章を受け取ると、ブラッドリー君に捧げた。デフォーは式典後、次のようにコメントを残している。

「僕のお母さん、妹、財団に関係する人々など、僕には感謝できる人が非常に多いです。ボランティアなども含め、長年にわたって財団のために働いてきたすべての人に感謝を申し上げます」

「僕はこのすばらしい一日、このOBEを私の“小さな親友”のブラッドリーに捧げたいと思っています。誰もがブラッドリーと僕が築いた関係を知っています。彼は特別でした」

「なにか賞を受け取るなんて考えてもいませんでした。このようなものを受け取り幸甚に存じます。ただ、一方で僕の心はまだ痛みます。それでも、このような素晴らしいものを授かり、痛みが少しは落ち着きそうです」

 デフォーとブラッドリー君の友情が始まったのは2016年。生後わずか18カ月の時から小児がんの一種である神経芽細胞腫と戦う小さなファンがいることを知ったサンダーランドが、試合に招待したことがきっかけだった。

 2016年12月のチェルシー戦で、ブラッドリー君は大好きなデフォーと一緒にピッチに登場。また、2017年3月のリトアニア戦では、4年半ぶりに代表復帰したデフォーの“エスコート・ボーイ”をブラッドリー君が務めると、その試合でデフォーはゴールを決めていた。

 ブラッドリー君の家族と連絡を取り続けるデフォーは2017年7月、古巣ボーンマスに移籍。ただ、その数日後、ブラッドリー君は短い生涯を閉じていた。

大英帝国勲章を奉じたデフォー [写真]=Getty Images